近年、地方都市で長年親しまれてきたスーパーが相次ぎ閉店しています。
今回、長野県駒ケ根市のJR駒ケ根駅前ビル「アルパ」1階に入っていた老舗スーパー「マルトシ駒ケ根駅前店」が、2024年10月31日をもって閉店しました。四半世紀にわたり地域住民の生活を支えてきた店舗の閉鎖は、地元に大きな衝撃を与えています。
本記事では、今回の事例をもとに、地方で進む「買い物空白地帯(買い物弱者問題)」「駅前空洞化」「地方移住と生活コスト」の現実について解説します。
■ 長野・駒ケ根駅前の象徴が閉店。住民の声は「寂しい」「痛手」
閉店当日も、棚が少なくなった店内には常連客が訪れていました。
- 「毎日徒歩で通っていた“わが家の冷蔵庫”のような存在。寂しい」(近隣70代女性)
- 「素朴で温かい雰囲気が好きだった。週2で通っていたのに…」(40代男性)
「マルトシ」は昭和24年創業の地域密着型スーパー。駅前の人流を支える役割も担っていました。
しかし、2000年代以降、郊外のバイパス沿いに大型スーパーやドラッグストアが進出。駐車場の広い店舗に客が流れ、売上が減少。
さらに、電気代高騰・人手不足・物流コスト上昇・コロナ禍での需要変化が追い打ちをかけ、継続が困難に。
これは、全国の地方スーパーの閉店理由とまったく同じ構図です。
■ 駅前空洞化の悪循環:スーパー消滅 → 商店街衰退 → さらに人が来ない
商店街関係者からも危機感が高まっています。
- 「“ついで買い”が起きなくなると商店街の客足が途絶える」
- 「駅前が空白になると、市全体が廃れた印象に」
駅前で人が買い物をする機会が減ると、
・商店街の売上減 → 店舗撤退 → 駅前に魅力がなくなる → 住民が車で郊外へ
という負の連鎖が起こります。
地方都市が抱える鉄板の課題 「駅前のシャッター化問題」 が進む可能性があります。
■ 日本中で進む“地方スーパー閉店”はなぜ起きている?
2023〜2024年は、全国各地で地域密着スーパーの閉店が相次いでいます。
背景には以下の構造変化があります。
✅ 地方スーパーが消える3つの背景(最新トレンド)
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 郊外大型店増加 | 車社会化で、駐車場の広い郊外店に客が集中 |
| 人口減少・高齢化 | 利用者減、買い物難民の増加 |
| コスト増(2022年以降加速) | 電気代・人件費・物流コストの急騰 |
特に電気代は、食品を扱うスーパーにとって生命線。
冷蔵・冷凍設備を持つ店舗では、電気代が経費の約8〜12%を占め、2022年以降の高騰で経営を圧迫しました。
■ 「地方は生活費が安い」はもう昔?FIRE民が直面する現実
FIRE(早期リタイア)後に地方移住を検討する人が増えていますが、近年は状況が変化しています。
🧩 地方生活のコストが上昇している理由
| 項目 | 都市部 | 地方 | コメント |
|---|---|---|---|
| 食料品 | やや高い | 競争減でむしろ高い例も | 地方は選択肢が少なく割高化傾向 |
| 車必須コスト | 不要の場合あり | 必須(ガソリン・保険・メンテ) | 移動費が増大 |
| 電気・ガス・水道 | 平均 | 災害対策費や人口減で上昇基調 | 固定費が割高へ |
| 医療・交通アクセス | 充実 | 減少 | 高齢者ほど負担 |
特に、スーパーや病院が減る地域では、生活利便性=生活コスト。
安さよりも、
「不便のコスト」「移動コスト」「選択肢の少なさ」
が負担となり、意外と都市部と出費差がなくなるケースが増えています。
■ 地方が生き残るためのヒントは?(最新動向)
地方の駅前再生に向けて、全国で以下の取り組みが増えています。
💡 再生成功例に学ぶ3つの方向性
- 多世代型コミュニティ施設化
→ カフェ+図書+子育て支援+コワーキング併設 - 地元特化型マルシェ・直売所・地域フードホール化
→ 地元の新鮮野菜や特産品で差別化 - 医療・介護・買い物支援の複合拠点化
→ 高齢者が徒歩で行ける複合サービス
駒ケ根市でも、今後の「後利用」でこれらが候補になる可能性があります。
■ まとめ:消えるスーパーは、地域衰退の“サイン”。未来の暮らし方を考える時期に
今回の駒ケ根市のケースは、日本の地方が直面する問題を象徴しています。
✦ 本記事のポイント
- 地方スーパー閉店は今後さらに加速の可能性
- 駅前空洞化は地域経済衰退と連動
- 「地方は安く暮らせる」は昔の話になりつつある
- FIRE後の移住先選びは、“安さ”より“生活インフラの持続性”が重要
地方で暮らす選択肢は素晴らしいものですが、
これからは 「その地域が10年後も生活できる環境か?」 が判断基準になっていくでしょう。
あなたは、もし地方に住むとしたら何を重視しますか?
コメント・感想もお待ちしています。

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