近年、「若者の車離れ」という言葉はよく耳にします。しかし、その実態は単純な“興味の低下”ではありません。都市部と地方では、クルマの価値がまったく異なる方向に進化しており、今はまさに「所有」から「利用」への転換点にあります。
本記事では、最新データやカーシェア市場の拡大背景を踏まえながら、「自家用車は本当に必要なのか?」を都市部・地方の実態から解説します。
■ 都会の若者はなぜ“車を買わない”のか?
都市部(東京・大阪・名古屋・福岡など)では、車を所有しない若者が増えています。その理由は、趣味嗜好ではなく都市環境が生み出す構造的な変化です。
都市部で車が不要とされる理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 公共交通が便利 | 鉄道・地下鉄・バス網が充実し、日常生活は車なしで完結 |
| シェアサービス拡大 | Timesカーシェア、Careco、LUUP、Uberタクシーなど「必要な時だけ利用」が主流 |
| 維持費が高すぎる | 駐車場相場:都心で3〜6万円/月、保険・税金・車検で年間数十万円 |
| オンライン娯楽の普及 | 車で出かけなくても、SNS・ゲーム・動画配信で楽しめる |
特に東京都心では、**「車を持つ=贅沢」**という価値観が定着しつつあります。
実際に、警察庁の統計では、20代の運転免許保有者数は減少傾向。
- 2014年:約1,078万人
- 2024年:約983万人
都市部の学生にとって、免許は「就活用に一応取っておく資格」に変わりつつあるのが現状です。
■ カーシェア・サブスクが“所有”から“利用”へ価値を変えた
ここ数年で、カーシェア利用者は急増しています。
✅ 最新データ(2024年時点)
- カーシェア登録台数:約5万台(5年前の約2.5倍)
- 会員数:約300万人超
- 特に20〜30代利用者が拡大中
さらに、自動車メーカーも流れを変えました。
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| KINTO(トヨタ) | 車のサブスク。税金・保険込みで月額定額 |
| ホンダ フレックスサービス | EVに特化した短期利用プラン |
| 各社EVカーシェア | マンション設備として導入が急増 |
車を「買う」ではなく、「必要な時に使う」スタイルが、都市部を中心に定着しています。
■ 地方では真逆!車は“生活必需品”で所有意識は根強い
一方、地方では自家用車がないと生活が成り立ちません。
■ 地方で車が必要な現実
- 鉄道・バスの本数が少ない
- 買い物や通勤距離が長い
- 自宅から駅までが遠い「ラストワンマイル問題」
1人1台が当たり前であり、家族全員が車を所有する家庭も珍しくありません。
さらに、地方ならではの“車文化”もあります。
● 地方には「ステータス」としての車文化が残る
- アルファード、ヴェルファイア、ハリアー、ランドクルーザー、レクサスSUVなどが人気
- 残価設定ローンや中古車で高級車を若者が選ぶケースも増加
また、地方の若者は車を通じた人間関係・趣味の場を重視します。
ドライブ、釣り、車中泊、オフ会、カーカスタムなど、車がコミュニケーションツールにもなっているのです。
KINTOの調査によると、地方若者の「自分名義の車が欲しくない理由」は以下の通り:
・家族の車を借りればこと足りる:32%
・運転への不安:32%
・価格が高い:28%
・運転自体が好きではない:28%
「欲しいけどお金が…」という声が多く、購入ハードルの高さが課題といえます。
■ 若者の車離れ=興味がない? いいえ、“経済問題”がカギ
車離れの背景には、収入と物価のギャップがあります。
| 項目 | 現状例 |
|---|---|
| 20代前半 平均年収 | 約267万円 |
| 車(軽自動車)新車価格 | 120〜200万円 |
| 普通車 新車価格 | 300〜500万円 |
また、保険料も年々上昇傾向で、特に20代は保険料が高額になりやすいです。
「頑張って買っても維持が大変」→若者が手を出しづらくなるのは当然といえます。
近年は**“モノ消費→コト消費(体験重視)”**への価値観変化も影響しています。
- 旅行、ライブ、推し活、ガジェット、カフェ巡り
- 所有より「体験・共有・共感」
都市部ではこの価値観とカーシェアの利便性が噛み合い、「所有しない選択」が合理的になっています。
■ 筆者の結論:自家用車は「資産」ではなく「負債」になりやすい
私自身、FIRE(早期リタイア)を目指す立場として、車は資産を減らす大きなコスト要因の一つだと考えています。
- 駐車場代
- 保険料
- 車検・税金
- 修理・メンテナンス
- ガソリン代
これらを合計すると、年間で50〜100万円近く支出する場合も珍しくありません。
✅ FIRE志向の人が取るべき選択
- 都市部であれば 持たない方が合理的
- 必要な時だけ レンタカー/カーシェア で十分
車は便利で、所有欲を満たしてくれる魅力的な存在です。しかし、経済的自由を優先したい人にとっては大きな固定費となります。
■ まとめ:自家用車の必要性は「住む場所」と「価値観」で決まる
| 項目 | 都市部 | 地方 |
|---|---|---|
| 車の必要性 | ★★☆☆☆(低い) | ★★★★★(必須) |
| 主な移動手段 | 電車・バス・シェアサービス | 自家用車 |
| 車の捉え方 | 利用で十分 | 必需品+ステータス |
| 費用意識 | 固定費を避けたい | コスパより便利さ |
💡 結論
自家用車は「必要か不要か」ではなく、どこに住み、どんな人生を送りたいかで答えが変わります。
- 都会で暮らし、FIREや節約を重視 → 車を持たない選択は合理的
- 地方で快適に暮らしたい・趣味の幅を広げたい → 車は生活のパートナー
自家用車を所有する未来が当たり前ではない今、私たちは「賢い持たない生き方」か、「楽しむために持つ生き方」かを選べる時代に突入しました。

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