「お前に食わせるタンメンはねぇ!」
かつてお笑い芸人・河本準一さんのギャグで一躍話題になった「タンメン」。鶏がらベースの塩スープに、豚肉と野菜の炒め物をたっぷり乗せたこの麺料理。実は2025年、誕生から70年を迎えました。
しかし、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「そもそも、タンメンって何?」
「西日本では見たことも聞いたこともないけど…?」
今回は「タンメンって全国的な料理なの?」「関東ローカルって本当?」という素朴な疑問に迫ります。食文化を通して見える、地域差のリアルを一緒に見ていきましょう。
タンメンとは?ちゃんぽんと何が違うの?
タンメンは、主に以下のような特徴を持つ麺料理です:
- 鶏がら塩スープがベース
- 炒めた豚肉と野菜(主に白菜・もやし・にんじん)をトッピング
- 麺は一般的なラーメンの麺を使用
似ている料理に「長崎ちゃんぽん」がありますが、最大の違いは「スープで煮るか、炒めて上に乗せるか」という調理法です。
実は“ローカルフード”?SNSでも驚きの声続出
SNSでは関西圏の人々から、こんな声が続々と寄せられています:
- 「関東に来るまでタンメンの存在を知らなかった」
- 「タンメンがローカル料理だなんてショック!」
- 「ちゃんぽんの仲間かと思ってたけど、別物なんだ…」
実際、タンメンは首都圏で圧倒的に浸透している一方、関西や九州ではその認知度すら低いという実態があります。
チェーン店メニューで比較してみた
全国展開しているラーメンチェーンを比較してみましょう。
チェーン名 | 本社 | タンメン有無 |
---|---|---|
日高屋 | 埼玉県さいたま市 | ◎(野菜たっぷりタンメン) |
餃子の王将 | 京都府京都市 | ×(公式サイトに記載なし) |
日高屋は首都圏を中心に440店舗以上展開しており、「タンメン」は看板メニューの一つ。一方、京阪神で強い王将では、タンメンはあまり見られないのが現状です。
独自文化を育む「岐阜タンメン」の存在
例外的に、東海地方では「岐阜タンメン」という独自ブランドが人気を集めています。
- 2009年、岐阜で大ヒット
- 現在は「岐阜タンメン=タンメン」という認識が主流
- 愛知県・岐阜県ではローカルフードとして浸透中
岐阜タンメンは、関東スタイルとは味や盛り付けが異なるものの、タンメンという名前を全国に広げる立役者とも言えそうです。
取材で判明した「食べられる地域・食べられない地域」
AERA DIGITALが全国の観光課や飲食業関係者に取材した結果、地域によって次のような傾向がありました。
■ タンメンが食べられるエリア(主に東日本)
- 関東全域
- 山梨県・長野県
- 仙台市・新潟市
- 一部大阪市内の老舗中華
■ タンメンの認知が低い・食べられないエリア(主に西日本)
- 北海道全域(札幌・旭川など)
- 京阪神(京都・神戸・広島)
- 四国(松山)
- 九州(福岡市)
- 沖縄(那覇市)
例えば札幌では「タンメンという言葉自体知らない」という声があり、福岡では「ちゃんぽんと何が違うの?」と逆に質問される場面も。
発祥の地・横浜「一品香」のこだわり
タンメンの元祖とされるのが、1955年に横浜で創業した**「一品香」**。
- 旧満州からの引き揚げ料理人が考案
- 現在も冷凍通販で全国に販売
- スープのうま味を重視し、キャベツではなく白菜を使用
- 「毎日でも食べられるたんめん」を目指している
70周年を迎えた今もなお、**進化を続ける“横濱たんめん”**の精神が根付いています。
【結論】タンメンは「関東ローカル」なのか?
結論をまとめると、以下の通りです。
- ✅ 「関東ローカル」は半分正解、半分間違い
- ✅ 関東では定番、東北・甲信越も浸透
- ❌ 北海道・西日本ではほぼ未認知
- ✅ 東海地方は「岐阜タンメン」が定着し独自進化
「タンメン」は日本全国でメジャーな料理ではなかった。しかし、近年はSNSやメディアの影響でじわじわと認知が広がっており、今後はちゃんぽんや味噌ラーメンのような“全国区”を目指すポテンシャルも感じられます。
まとめ:あなたの地域にも“優しい味”を
もし、まだ「タンメン」を食べたことがないという方は、この機会にぜひ一度味わってみてください。
- 素朴でやさしい塩味
- たっぷりの野菜で栄養バランス◎
- しつこさゼロで“毎日でも食べられる”
もしかすると、あなたの近所にもひっそりと「タンメン」があるかもしれませんよ!
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