1970年の発売以来、日本中の子どもたちに親しまれてきた「ジャポニカ学習帳」。緑色の表紙に昆虫や花の美しい写真、そして学びを深める読み物付録——誰もが一度は手にしたことがあるこの学習帳が、2025年11月に大幅リニューアルを実施します。
今回はその詳細と背景に込められた想い、そして私自身の思い出も交えてご紹介します。
表紙が写真からイラストに。55年目の大胆な決断
長年にわたり、写真家・山口進さんが撮影した昆虫や花の写真を採用してきたジャポニカ学習帳。しかし今回のリニューアルでは、写真からイラストへと大きく方向転換されます。
新しいテーマは「共生」。
たとえば「バケツランとシタバチ」のイラストでは、花と昆虫が互いに支え合いながら生きる姿を表現。自然界における生き物同士のつながりを、子どもたちが直感的に感じ取れるデザインとなっています。
新たな表紙を手がけたのは?人気クリエイター陣が集結
リニューアルを手がけたのは、デザインチーム「minna(ミンナ)」と、絵本『パンダ銭湯』などで知られるアートユニット「tupera tupera(ツペラ ツペラ)」。
このタッグにより、単なる学習帳の枠を超えたアート性とストーリー性のある表紙デザインが誕生しました。植物に顔をつけたり、キャラクター化したりといった遊び心も満載で、子どもたちの好奇心を刺激する要素が満載です。
デザインだけじゃない!中身も進化
今回のリニューアルは表紙だけに留まりません。
✅ 教科ごとの色分け
従来は緑一色だった表紙カラーも、教科ごとの色分けを導入。たとえば、
- 国語:赤
- 算数:青
というように、より直感的に教科を選べるようになっています。
なお、緑色は「ジャポニカグリーン」として、自由帳や連絡帳に引き継がれ、進化を象徴する青緑色が採用されました。
✅ 読み物付録の学習百科もアップデート
これまでの読み物も現代風にブラッシュアップ。子どもたち自身が選べない情報だからこそ、「自然を愛する心」「好奇心の入り口」となるよう、内容を厳選したそうです。
なぜ今リニューアル?背景にある教育の変化
今回の表紙変更は、ただのデザイン刷新ではありません。詰め込み教育から、発想力や感性を育む教育への流れを受けて、子どもたちが「感じる力」を育てるきっかけになるよう、リニューアルが行われたのです。
「大人が子どもの“好き”を奪わないでほしい」という願いも込められており、イラストには子どもたちの心に寄り添う柔らかな優しさが表れています。
昭和生まれの私にも響いた“懐かしさ”と“希望”
私自身、学生時代にはジャポニカ学習帳を使っていました。あの緑の表紙、昆虫の写真、そして中にあった読み物のワクワク感——いまでも鮮明に覚えています。
今回のリニューアルには正直、最初は驚きと少しの寂しさも感じました。
でも、記事を読み進めるうちに、「これからの子どもたちに合った形で進化している」ことに気づき、むしろ新しいファンをたくさん生んでほしいという気持ちになりました。
おわりに:変わるものと変わらない想い
表紙がイラストに変わっても、**「子どもたちの学びを応援したい」**というジャポニカ学習帳の想いは変わりません。
- 自然の大切さ
- 他者と共に生きる力
- 好奇心を大切にする心
そんな価値観を、ひとつの学習帳から伝えていく——時代が変わっても、ジャポニカ学習帳は、子どもたちの成長をそっと支える存在であり続けるのかもしれません。
📌 あなたの思い出のジャポニカ学習帳、どんな表紙でしたか?
新しいジャポニカ学習帳、ぜひ書店で手に取ってみてください。
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