コンビニで「できたて麺」は定着するのか?セブンイレブンの新挑戦に迫る

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近年、コンビニは単なる「買い物の場所」から「食の体験空間」へと進化しています。
そんな中、セブン‐イレブンが新たに打ち出したのが、店内で“スチーム調理”する「できたてラーメン」シリーズです。
果たしてこの新サービスは、次のヒット商品になるのでしょうか。


スチーム調理で完成する「できたてラーメン」

セブン‐イレブン・ジャパンは2024年11月、埼玉県内の一部店舗で導入していた**冷凍麺の調理マシン「STEAMA(スチーマ)」**を、40店舗にまで拡大すると発表しました。
このマシンは、ソフトバンクロボティクスが開発した蒸気式の調理ロボットで、容器をセットしてボタンを押すだけ。
わずか90秒で“できたて”の麺類を提供できる仕組みです。

メニューは「醤油ラーメン」「味噌ラーメン」「豚骨醤油(家系)」「肉うどん」「台湾まぜそば」といった定番に加え、有名店とのコラボ商品も展開予定。
価格帯は600円前後と、外食のラーメンよりは安く、コンビニ弁当より少し高めの設定となっています。


セブンの「できたて戦略」との共通点

セブン‐イレブンはこれまでも“できたて”へのこだわりを見せてきました。
1979年の「おでん」発売を皮切りに、2023年の「セブンカフェ スムージー」や2024年の「セブンカフェベーカリー」など、「店内調理」型の商品を段階的に拡充しています。

この流れの延長線上にあるのが今回の“できたて麺”。
「家庭でも外食でもない、第3の食体験」を提供する狙いが見えてきます。


成功のカギは「食べる場所」

しかし、この取り組みが大きくヒットするかは未知数です。
筆者は成功のハードルは高いと見ています。

その理由の一つは「食べる場所」です。
多くのコンビニにはイートインスペースが限られており、できたての熱々ラーメンを持ち帰ると冷めてしまう(麵が伸びてしまう)という問題があります。
また、外で食べるとなるとごみ処理の課題も生じ、店舗周辺の環境にも影響を与えかねません。

一方で、「セブンカフェ」のドリップコーヒーが成功したのは、その場で手軽に飲める設計があったからです。
今回のラーメンは、商品特性上“手軽さ”がやや損なわれており、同じ成功パターンを再現するのは難しそうです。


とはいえ「新しい客層」への可能性も

それでも、この試みには可能性があります。
都内ではラーメン1杯が1000円を超えることも珍しくなくなった今、**600円前後の“本格派ラーメン”**はコスパの良い選択肢になり得ます。
特に、昼休みに手早く済ませたい会社員層や、温かい食事を求める夜勤スタッフなどには一定の需要がありそうです。

今後、都内や地方都市に導入が広がれば、「手軽なできたて麺」市場という新たなカテゴリーを生み出す可能性もあります。


まとめ:挑戦的だが、課題も多い

セブン‐イレブンの「できたて麺」シリーズは、
コンビニの新しい価値を模索する意欲的な試みです。

一方で、価格・食べる場所・持ち運びの課題をどう克服するかが、今後の成否を左右するでしょう。
“あのセブンでラーメンが食べられる”という驚きを、どれだけ自然な日常体験に変えられるか。
その答えは、消費者の反応が教えてくれそうです。


🔍ポイントまとめ

  • スチーム調理マシン「STEAMA」で90秒の“できたて麺”
  • 価格帯は600円前後、ラーメン・うどん・まぜそばを展開
  • 成功の鍵は「食べる場所」と「手軽さ」
  • 都内進出でコスパ需要を掴めるかが注目点
プロフィール
著者
diamondken

完全FIREを目指している一般独身男性。
約30年、自動車業界/外資系自動車部品メーカーに従事。
自動車用電装部品の開発にてSW, HW, SYS, PMを経験/担当し今に至る。
趣味はテニス、映画/音楽鑑賞、ゲーム(PS)、読書、旅行、楽器/エレキギターなど。
完全FIRE/経済的自立を実現すべく、資産運用、副業、投資、税金について勉強中。
TOEICスコア: 960

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