近年、SNSをきっかけにした新たな性被害が深刻化しています。
そのひとつが 「セクストーション」 です。
2025年4月、セキュリティ企業ノートンライフロックの分析により、日本はセクストーション詐欺の標的リスク比率が世界1位だったことが報告されました。
なぜ日本が狙われるのでしょうか?
そして、私たち大人は何をすべきなのでしょうか?
本記事では、セクストーションの手口、類似犯罪との違い、最新の対策、そして家庭でできる予防策まで詳しく解説します。
セクストーションとは?
セクストーション(Sextortion)とは、
- Sex(性的)
- Extortion(ゆすり・脅迫)
を組み合わせた造語で、**「性的脅迫」**を意味します。
■ 目的は「金銭」
加害者はSNSやアプリを通じて接近し、信頼関係を築いた後、裸の画像や動画を送らせます。
その後、態度を一変させ、
- 「フォロワー全員にばらまく」
- 「家族や学校に送る」
- 「2万円分のApple Gift Cardを送れ」
- 「PayPayで送金しろ」
と金銭を要求します。
支払っても終わりません。
さらに要求されるケースがほとんどです。
セクストーションの典型的な手口
- Instagramや英語学習アプリなどで接触
- DMで親密になる
- LINEや電話番号の交換を求める
- 「写真を送り合おう」と誘導
- 裸の画像を入手
- フォロワーのスクショを送りつけ脅迫
特にLINEは子どもにとって重要な連絡手段のため、アカウントを消しにくいという心理を利用されます。
加害者は日本人とは限らず、海外の組織的犯罪グループも確認されています。
自画撮り被害・リベンジポルノとの違い
| 種類 | 目的 | 加害者 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| セクストーション | 金銭 | ネット上の知人 | 拡散を盾に金銭要求 |
| 自画撮り被害 | 画像収集 | ネット上の知人 | グルーミングで信頼させる |
| リベンジポルノ | 復讐・嫌がらせ | 元交際相手 | 実際に拡散されるケースも |
共通点は、
- 羞恥心を利用する
- 「自分にも責任がある」と思わせる
という心理操作です。
なぜ日本が“世界1位”の標的リスクなのか?
ノートンライフロックの2025年分析によると、日本は2024年における標的リスク比率が世界1位でした。
背景として考えられるのは、
① 被害を届け出ない傾向
令和7年版犯罪白書によると、性的被害のうち警察に届け出た割合は25%。
「知られたくない」という羞恥心が大きな障壁となっています。
② 現金以外の電子マネー文化
- Apple Gift Card
- PayPay
- コンビニ決済
など、匿名性の高い決済手段が普及している点も狙われやすい要因と考えられます。
③ “我慢文化”
「自分が悪い」
「親に知られたくない」
「スマホを取り上げられるかも」
こうした心理が、加害者にとって都合の良い環境を作っています。
最新の動き:日本版DBSとは?
2024年6月に成立した
「こども性暴力防止法(日本版DBS)」
性犯罪歴をデータベース化し、子どもと関わる職種への就業を制限する仕組みです。
施行予定:2026年12月25日
これは対面型犯罪の抑止策ですが、ネット犯罪対策も同時に強化が求められています。
オーストラリアでは16歳未満SNS禁止へ
2025年より、オーストラリアでは16歳未満のSNS利用を制限する制度が導入されました。
世界的に未成年SNS規制の動きは強まっています。
日本も検討の余地があるかもしれません。
ただし一方で、
「禁止」=「相談できなくなる」
という副作用も懸念されています。
被害に遭った場合の対処法
① 絶対にお金を払わない
支払っても終わりません。
② 証拠を保存
- プロフィール画面
- メッセージ内容
- フォロワー画面
をスクリーンショットで保存。
③ ブロックして連絡遮断
多くの加害者は金銭が得られないと判断すると別の標的へ移ります。
④ 相談窓口へ
- 性犯罪被害相談電話:#8103(ハートさん)
- 警察相談専用電話:#9110
画像拡散を防ぐ最新ツール「Take It Down」
万が一に備え、
「Take It Down」(ハッシュ値登録による拡散防止サービス)を活用する方法もあります。
画像の“デジタル指紋”を登録することで、主要プラットフォーム上での拡散を防止・削除する仕組みです。
未成年向け支援として国際的に活用が広がっています。
周囲の大人ができること
■ 日常的な観察
- 夜中までスマホを手放さない
- 急にお金を欲しがる
- 表情が暗くなる
こうした変化はSOSの可能性があります。
■ 「怒らない」と約束する
最大の予防策は、
「どんなことがあっても味方でいる」
という安心感を与えること。
禁止よりも対話です。
筆者の考察:日本は“羞恥心リスク社会”なのか
日本が標的リスク1位という事実。
背景にあるのは、
- 羞恥心
- 相談しない文化
- 自己責任思考
ではないでしょうか。
オーストラリアのような強い規制も一案ですが、
まずは「助けを求めてもいい社会」に変わることが重要だと感じます。
セクストーションは、
送ってしまった子どもが悪いのではありません。
悪いのは、脅す側です。
まとめ
- セクストーションは性的画像を利用した金銭脅迫
- 日本は標的リスク世界1位
- 羞恥心と沈黙が被害拡大を招く
- 支払わない・証拠保存・即相談
- 禁止よりも対話が重要
子どもたちを守る最大の武器は、「安心して話せる家庭環境」です。
この記事が、ひとつのきっかけになれば幸いです。


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