タイ・ビザ改悪なのか?【2025年最新版】

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「FIRE後の移住先候補国」のひとつである タイ王国 のビザ制度改訂について、冷静に整理します。この記事を読むことで、海外移住を検討されている方が、判断材料として活用できれば幸いです。


1. 検討背景:なぜタイ王国を移住先候補に?

別の記事「FIRE後を見据えた海外移住トライアル」にて、筆者はタイ王国を「物価・VISA取得のし易さ」の観点で 最高得点 と評価しました。
ただし、その制度がその後改訂され、「改悪」と捉えられる動きも出ています。今回はその内容を整理し、「本当に急ぐべきなのか」を考察します。


2. タイランドエリートビザ(正式には Thailand Privilege)とは?

まず、制度の概要を整理します。

  • タイランドエリート(現 Thailand Privilege)とは、会員権(メンバーシップ)を購入することで、タイへの 5年以上~20年滞在可能 な長期滞在枠が得られる「特別メンバー制度」です。 ThaiEmbassy.com+2ThaiEmbassy.com+2
  • 年齢要件・現地収入要件・預金残高要件などは 基本的に無し。購入のみで長期滞在できる点が魅力です。 Siam Legal International+1
  • 会員になると、空港入出国でのVIP待遇、ゴルフ場・ホテル・スパ・医療施設での優遇、90日レポート代行サービスなど、滞在中の「生活の質」を高める特典が付帯しています。 Thailand Privilege+1
  • 運営主体は Thailand Privilege Card Company Limited(旧:Thailand Elite運営会社)で、2003年に Tourism Authority of Thailand(TAT)100%出資の国営企業として設立されています。 Thailand Privilege+1

つまり、FIREを目指す方の「現地収入がなくても/年齢関係なく/手続き簡素で長期滞在できそう」という期待を持たせる制度です。


3. 今回の改定内容:本当に“改悪”?

では、どのような変更があったのか、整理します。

🔹 主な改定ポイント

  • 2023年9月15日以降、旧パッケージは廃止され、新制度「Thailand Privilege」へ移行し、価格が50%以上アップとの報道があります。 バンコクポスト+2H&P Law Firm+2
  • 具体的な料金例:5年パッケージが旧600,000バーツ(約200万円弱)から 900,000バーツに改定。 バンコクポスト+1
  • 新制度の料金一覧(2025年時点)では、5年=650,000バーツ、10年=1,500,000バーツ、15年=2,500,000バーツ、20年=5,000,000バーツというものがあります。 Siam Legal International+1
  • ただし、2025年1月~6月にかけて、「アップグレード料100,000バーツ免除」の期間限定プロモーションも出ています。 Siam Legal International

🔸 “改悪”と感じられる部分

  • 購入費用が大幅に上がったため、FIRE層(特に50歳前後・現地収入なし・防衛資金のみ)にとっては “選びにくくなった” のは確かです。
  • 「長期滞在を目的に購入を急げ」といったメディア・YouTube情報が散見され、焦りを煽られている印象があります。
  • そのため「改悪=コスト負担が増えた」という受け止め方が多くなっています。

✅ とはいえ、“改悪”一辺倒ではない理由

  • 価格上昇は “高級・富裕層向け” のターゲットを明確にする方向であり、FIRE層全員が対象とは設計されていなかったとも言えます。
  • 開始以来、この制度は“収入条件や年齢条件なし”というメリットを持っていましたが、それをそのまま維持しつつ、料金を上げることで “提供価値”を再構築しているとも捉えられます。
  • また、短期滞在派・FIRE準備中の人には、そもそも観光ビザや他の滞在手段で十分という筆者のスタンスとも整合性があります。

4. FIRE層(筆者)からの整理:自分にとってどう影響するか?

  • 筆者は「50歳以上」「現地収入なし」「防衛資金確保済」という条件を仮定して、以前この制度を候補に挙げていました。
  • しかしながら、今回の料金改定によって「コスト対効果」が低くなったと判断しました。
  • 結果として、筆者の結論は変わらず: “50歳まで、または十分な生活防衛資金が確保できるまでは、長期滞在ビザ(この高額制度)をあえて取得せず、観光ビザ(60日または延長90日)などでタイ滞在を楽しむ”というものです。
  • メディアが「改定前に購入お勧め」などと煽っているのは、販売側のビジネスモデルが関与している可能性もあるため、冷静に判断することが重要です。

5. 最新補足情報(2025年10月時点)

  • 新制度「Thailand Privilege(旧タイランドエリート)」の料金体系が明確化されています。5年650,000バーツから、20年5,000,000バーツまで幅があります。 Siam Legal International
  • 2025年1月~6月に「アップグレード料100,000バーツ免除」プロモーションがあり、一部条件でコスト軽減の機会も出ています。 Siam Legal International
  • また、一般観光ビザ/入国ビザ制度でも改変があり、2025年5月以降、観光ビザ申請時に 財務証明の再導入 が一部報じられています。

最新ヴァイス制度・旅行関連ニュース

Thailand reinstates financial proof requirement for tourist visas

The Economic Times

Thailand reinstates financial proof requirement for tourist visas

2025/05/17

  • 要するに、長期滞在を目的とする制度だけでなく、観光入国制度も “安定前” から “慎重期” へ向かっている可能性があります。

6. まとめ:タイ王国のビザ制度改訂をどう捉える?

  • 今回の改定は「価格上昇」=“改悪”とも言える面がありますが、制度自体が消えたわけではなく、むしろターゲット層を明確にして再設計されたものとも言えます。
  • FIREを目指す多くの方には、 **“高額会員制ビザを急いで購入すべき”**とは言えず、むしろ観光ビザなどを活用しつつ、他国制度も並行検討する方が実践的です。
  • 筆者としては、今回仮定している条件(50代・現地収入なし・防衛資金確保済)においては、「観光ビザ+数か月滞在」を軸にしつつ、制度変化をウォッチする姿勢を継続します。
  • もし、数千万円~数億円の資産保有や現地事業運営+タイ定住を真剣に考えるなら、新料金でも制度の価値が出る可能性があります。
プロフィール
著者
diamondken

完全FIREを目指している一般独身男性。
約30年、自動車業界/外資系自動車部品メーカーに従事。
自動車用電装部品の開発にてSW, HW, SYS, PMを経験/担当し今に至る。
趣味はテニス、映画/音楽鑑賞、ゲーム(PS)、読書、旅行、楽器/エレキギターなど。
完全FIRE/経済的自立を実現すべく、資産運用、副業、投資、税金について勉強中。
TOEICスコア: 960

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