近年SNSで広がっている「○○キャンセル界隈」という表現。中でも注目されているのが**「残業キャンセル界隈」**です。
仕事が残っていても定時になれば帰宅する――そんな若者の姿に、頭を抱える上司も増えています。
この記事では「残業キャンセル界隈」とは何か、その背景やメリット・デメリットを整理しつつ、健全な働き方につなげる方法を考えてみます。
「○○キャンセル界隈」とは?
SNS発のゆるやかなコミュニティ
- 「キャンセル」=拒否や回避
- 「界隈」=緩やかなつながりを持つ人たち
つまり「○○キャンセル界隈」とは「やりたくないことをやらない人たちの集まり」を示すフレーズです。
代表的な例
- 風呂キャンセル界隈 … 疲れて入浴をやめてしまう
- 外出キャンセル界隈 … 天気や気分を理由に外出しない
- 人付き合いキャンセル界隈 … 気疲れから交流を避ける
どれも「義務感からの解放」を共有し、SNS上で共感を得る文化として定着しつつあります。
職場にまで広がった「残業キャンセル界隈」
この流れがビジネス現場にも波及しました。
- 定時になったら仕事が残っていても帰る
- SNSで「今日も残業キャンセル成功!」と投稿し共感を得る
- 「ワークライフバランス」よりも「残業しないこと」に価値を置く
上司世代からすると理解に苦しむ行動ですが、若者にとっては「当たり前」となりつつあるのです。
「残業キャンセル」が抱える3つの問題点
1. チームワークの崩壊
誰かが仕事を残して帰れば、他のメンバーに負担がのしかかります。不公平感が積もり、協力関係が壊れるリスクがあります。
2. スキルアップの機会損失
難しい課題や追加の業務は、成長のチャンスでもあります。残業を一律で拒否してしまうと、経験値が積みにくくなります。
3. 信頼関係の破綻
締切や責任を果たさなければ「頼りにならない人」と評価され、重要な仕事を任せてもらえなくなる可能性があります。
「残業キャンセル界隈」を肯定的に活かすには?
一方で「残業キャンセル=悪」と決めつけるのは早計かもしれません。ポイントは成果を出したうえで残業を回避すること。
そのための方法が「モーレツ確認」です。
- 依頼された仕事の目的・優先度・納期を徹底的に確認
- 作業途中でも「方向性は正しいか」を何度も確認
- 無駄な作業を減らし、効率よく成果を出す
こうすれば、定時内で仕事を完了し「残業キャンセル」を実現できます。
まとめ
「残業キャンセル界隈」の広がりは、若者の価値観や働き方の変化を映しています。
- 責任を果たさず残業を放棄すれば、組織にも個人のキャリアにもマイナス
- しかし効率的に成果を出したうえで残業を減らすなら、健全なワークスタイルとなる
上司は「ただ残業しろ」と求めるのではなく、部下と認識をすり合わせ、真のワークライフバランスを築く必要があります。
もしそれを怠れば、今度は「部下育成キャンセル界隈の上司」と呼ばれてしまうかもしれません。
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