読めばわかる自動車の安全性|車選びで知っておきたい最新評価基準

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毎年のようにニュースで取り上げられる 交通事故
日本では令和4年(2022年)に発生した交通事故件数は 約30万件(警察庁発表)とされています。年々減少しているものの、依然として多くの人が事故に巻き込まれているのが現状です。

「どんなに運転に気をつけても、もしもの時は車自体の安全性が命を守る」
これは、多くの専門家が強調する事実です。

そこで本記事では、世界で行われている自動車の 安全性評価(NCAP) について解説し、車選びに役立つポイントをご紹介します。


世界の安全性評価プログラム「NCAP」とは?

現在、世界各国で自動車の安全性は「NCAP(New Car Assessment Programme)」という仕組みに基づいて評価されています。代表的なものは以下の通りです。

  • 北米:NCAP(New Car Assessment Programme)
  • ヨーロッパ:Euro NCAP(European New Car Assessment Programme)
  • 中国:C-NCAP(China New Car Assessment Programme)
  • 日本:JNCAP(Japan New Car Assessment Programme)

これらの評価は、政府や独立した消費者団体によって実施されます。販売中の車を対象に「衝突試験」や「予防安全性能試験」を行い、その結果を公開することで、ユーザーの車選びに役立てるとともに、メーカーには より安全な車づくりを促す仕組み となっています。


Euro NCAPが最も権威ある評価とされる理由

数あるNCAPの中でも、もっとも国際的に注目されているのが Euro NCAP です。
ヨーロッパ市場向けの評価ですが、厳しい基準が世界のメーカー開発に大きな影響を与えています。

評価の観点は以下の4つです。

  1. 乗員保護(Adult Occupant Protection)
  2. チャイルドプロテクション(Child Occupant Protection)
  3. 歩行者保護(Pedestrian/Vulnerable Road User Protection)
  4. 安全支援機能(Safety Assist)

結果は「得点」と「星の数」で発表され、星5つが最高評価です。

特に近年では、事故を未然に防ぐ アクティブセーフティ(ADAS:先進運転支援システム) が重要視されています。
例:自動緊急ブレーキ(AEB)、車線変更支援(LCA)など。


具体例|マツダとテスラの評価比較

<マツダ車の評価結果>

例えば2019年、マツダのコンパクトSUVは 5つ星評価 を獲得しました。
一方で2022年の高得点車両の一つ Tesla Model S は、乗員保護だけでなく歩行者保護や安全支援機能でも高得点を記録。

<Tesla Model Sの評価結果>

この比較から分かるのは、「星の数だけでなく、どの項目で強いのか」 を見ることが重要だという点です。


日本の評価(JNCAP)の最新ランキング

日本でもJNCAPが行われており、近年はEuro NCAPに基準を合わせています。
2022年の総合評価トップ車両は以下の通りです。

  1. スバル「レヴォーグ」186.91点(アイサイトX搭載)
  2. トヨタ「ヴォクシー」186.44点(最新トヨタセーフティセンス)
  3. スバル「ソルテラ」/トヨタ「bZ4X」186.16点
  4. スバル「レガシィ アウトバック」185.02点
  5. トヨタ「ハリアー」177.68点
    …以下略

軽自動車の日産「ルークス」「デイズ」もランクインしており、小型車でも最新の安全装備で高得点を狙える ことを示しています。


車選びで安全評価を活用するポイント

自動車の安全性評価を参考にする際は、以下の点を意識すると良いでしょう。

  • 同じクラスの車で比較する(例:コンパクトカー同士)
  • 星の数だけでなく項目ごとの得点を見る
  • 最新の基準で評価された車を確認する(基準は年々厳しくなるため)
  • 予防安全機能に注目(今後はADAS搭載が大きな差になる)

まとめ|「守る安全」から「防ぐ安全」へ

自動車の安全性は、衝突時の「守る安全」から、事故を未然に防ぐ「防ぐ安全」へと進化しています。
交通事故がゼロになる日はまだ遠いですが、車の安全性能を知り、信頼できる車を選ぶことが 家族や自分を守る第一歩 です。

ぜひ次に車を選ぶときは、価格やデザインだけでなく 安全性評価 にも目を向けてみてください。


👉 次回は「最新のADAS技術がもたらす未来の安全性」についてもご紹介します。

プロフィール
著者
diamondken

完全FIREを目指している一般独身男性。
約30年、自動車業界/外資系自動車部品メーカーに従事。
自動車用電装部品の開発にてSW, HW, SYS, PMを経験/担当し今に至る。
趣味はテニス、映画/音楽鑑賞、ゲーム(PS)、読書、旅行、楽器/エレキギターなど。
完全FIRE/経済的自立を実現すべく、資産運用、副業、投資、税金について勉強中。
TOEICスコア: 960

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