自動車を所有する際に必要となるのが「車庫証明(正式名称:自動車保管場所証明書)」です。これは、自動車を使用する拠点から2キロ以内に、きちんと駐車スペースを確保していることを証明する制度です。
しかし中には、費用や規制を避けるために 虚偽の申請を行い車庫証明を取得する「車庫飛ばし」 をする人もいます。これは明確な法律違反であり、罰則の対象になります。この記事では、車庫飛ばしの仕組みや罰則、注意点をわかりやすく解説します。
車庫飛ばしとは?
「車庫飛ばし」とは、本来の保管場所ではない場所を申告して車庫証明を取得する行為のことです。
たとえば以下のようなケースが該当します。
- 都市部は駐車場代が高額 → 自宅から2キロ以上離れた安い駐車場で申請
- ディーゼル規制を逃れるため、規制がない地域で虚偽申請
- 引越し後、車庫証明を更新せずにそのまま使用
これらは「自動車の保管場所の確保等に関する法律」第17条に違反し、罰則の対象になります。
車庫証明を取得するための条件
車庫証明は、単に駐車場を借りればよいわけではありません。以下の条件を満たす必要があります。
- 自動車の使用の本拠(自宅や事業所)から 2キロ以内 にあること
- 道路から自動車が支障なく出入りできること
- 車両を全体収容できること
- 使用者がその駐車場を利用する権利を持っていること
特に「2キロ以内」という条件は 直線距離 で測定されます。道のりではなく、地図上で半径2キロ以内にある必要がある点に注意してください。
車庫証明が不要な地域
地域によっては、車庫証明の提出が不要な場合もあります。
(参考)東京都で車庫証明が不要な地域
- 【自動車】檜原村、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、青ヶ島村、小笠原村
- 【軽自動車】福生市、武蔵村山市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、日の出町、奥多摩町、大島町、八丈島町、上記の島しょ部
このように、一部の郊外や離島では車庫証明が不要となります。
車庫飛ばしの罰則
車庫飛ばしは立派な違法行為です。違反内容ごとに罰則や違反点数が定められています。
違反の種類 | 罰則 | 違反点数 |
---|---|---|
虚偽の保管場所証明申請 | 20万円以下の罰金 | ― |
保管場所の不届け・虚偽届出 | 10万円以下の罰金 | ― |
道路を車庫代わりに使用 | 3ヵ月以下の懲役または20万円以下の罰金 | 3点 |
道路における長時間駐車 | 20万円以下の罰金 | 2点 |
例えば、自宅から離れた実家の駐車場を車庫として申請した場合、住民票や活動拠点が一致していなければ違法となり、20万円以下の罰金に処される可能性があります。
違法駐車の社会的影響
車庫飛ばしによって「駐車場がない車」が生まれると、そのしわ寄せは違法駐車につながります。違法駐車は単なるマナー違反にとどまらず、社会に深刻な影響を及ぼします。
- 救急車や消防車の通行妨害
緊急車両が狭い道で立ち往生し、救助や消火活動が遅れる可能性があります。 - 交通事故リスクの増加
道路に違法駐車があると、視界の妨げ、歩行者や自転車などが車道にはみ出し、事故につながることがあります。 - 地域トラブルの原因
住民同士のトラブルや通報問題が発生し、生活環境の悪化を招きます。
このように、車庫飛ばしや違法駐車は社会全体の安全を脅かす行為なのです。
筆者の見解
筆者の地域も軽自動車であれば車庫証明が不要な地域に該当します。しかし個人的には、特に都市圏では車庫証明を「必須」としてほしいと感じています。
理由は単純で、違法駐車を日常的に目にするからです。車庫証明の申請義務を徹底すれば、違法駐車を減らし、地域の交通安全や生活環境の改善にもつながるでしょう。
まとめ
- 車庫飛ばしは「虚偽の車庫証明」であり、法律違反
- 車庫証明には「本拠から2キロ以内」「直線距離」など明確な条件がある
- 違反すると 20万円以下の罰金や違反点数加算 の対象
- 一部地域では不要だが、都市部では申請必須
- 違法駐車は緊急車両の妨害や事故リスクなど、社会に大きな悪影響を与える
- 筆者としては、都市部での車庫証明の義務化強化を望んでいる
自動車の維持にはコストがかかりますが、ルールを守ることで安全で快適なカーライフを送ることができます。
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