近年、街中でよく見かけるようになった電動アシスト自転車。子育て世代や高齢者の移動手段として人気が高まる一方で、新たな犯罪の標的になっているのが 「バッテリー盗難」 です。
大阪で摘発された窃盗グループ
2024年、大阪府内で電動アシスト自転車のバッテリー盗難が急増しました。府警は今年3月、ベトナム人男性3人を窃盗の疑いで逮捕。調べによると、SNSのコミュニティを通じて「バッテリーを盗めば買い取る」という誘いを受け、報酬目的で犯行に及んでいました。
- 報酬は1個あたり約2,000円
- 大阪・愛知・京都などで100件以上の犯行
- 被害総額は約300万円
生活に困窮した末に犯罪へと手を染めてしまった経緯も明らかになっています。
バッテリー盗難が急増する理由
電動アシスト自転車の普及率は年々高まっており、特に都市部では利用者が急増しています。その一方で、バッテリーは数万円する高価な部品であり、盗難犯にとって「狙いやすく換金しやすいターゲット」になってしまっています。
大阪府内では、この4年間で被害件数が 5倍 に増加。電動自動車のバッテリー盗難も同時に増えており、背景にはネット上での違法売買や、金属狙いの窃盗団による組織的犯行があるとみられています。
被害を防ぐためにできること
利用者ができる防犯対策としては、以下のような工夫が挙げられます。
- 二重ロックを徹底する:自転車本体だけでなく、バッテリー部分にも鍵をかける
- 防犯登録・GPS追跡機能を活用:盗難後の追跡に有効
- 人通りの多い場所に駐輪する:人気のない場所は狙われやすい
- 夜間は屋内保管:特に集合住宅では共用スペースではなく室内に持ち込む
メーカー側に求められる工夫
利用者の努力だけでなく、メーカー側の技術的な工夫も欠かせません。例えば、
- バッテリーを簡単に外せない構造にする
- 車体IDとバッテリーIDを一致させ、他車では作動しない仕組みを導入
- 盗難防止アラームやイモビライザー機能の搭載
こうした仕組みが普及すれば、盗難の抑止効果は大きくなるでしょう。
まとめ
電動アシスト自転車は便利で環境にも優しい移動手段ですが、その普及とともに バッテリー盗難という新たなリスク が浮き彫りになっています。被害を防ぐためには、利用者一人ひとりの防犯意識とメーカーによる技術的対策の両方が不可欠です。
安心して自転車を利用できる社会のために、私たち自身も「盗難は身近に起こり得る」という意識を持ち、日常的に対策を取り入れていく必要があります。
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