今回の記事は「シェアハウスって本当にお得?」についてです。
筆者は訳あって、静岡の浜松市に移住することとなり、住居としてシェアハウスに住んでみました。
FIREを目指して支出を抑えたい人にとって、シェアハウスは魅力的な選択肢です。しかし、入居後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。この記事では、私が実際に経験したシェアハウス生活から、事前に知っておくべき注意点をお伝えします。
まず、シェアハウスのメリットとしては、低家賃、光熱費込み、敷金や礼金が不要、 家具・家電や生活用品が揃っているなどが挙げられます。
TVドラマで見るような、同居する住人との交流が可能で、新しい価値観に触れることができ、新たな出会いに期待できるなどキラキラしたイメージされる方が多いのではないでしょうか。
ご参考までに、筆者は国内外でのホテル長期滞在、海外での(AirBNB等の)民泊長期間利用の経験はありますが、クレームを受けたことはありません。むしろ、民泊については高評価ユーザーです。
さて、実際は;
1)共有スペースのルールはあってないようなもの?
多くのシェアハウスでは、キッチンやリビングの共有ルールが曖昧です。ルールが形骸化していると、掃除や騒音などのトラブルのもとに。
シェアハウスの規模にもよりますが、キッチンや洗濯機、乾燥機などの共用利用のものは同時利用に限りがあります。洗面台、お風呂、シャワールームも同様です。
体験談:
冷蔵庫については、(比較的)大型冷蔵庫一台で、限られた個人スペースをどう管理するかが重要です。人に依りますが、賞味・消費期限が守られていないものがあるのはざらです。
キッチン、リビング、洗濯機、掃除機など、共有されるものは自分の好きなタイミングで使えない。
例えば、21時からのドラマに間に合うように、頭の中でスケジュールを組んでいても、そのとおりに事が進まないことはしばしばということです。
これらが積もり積もると、大きなストレスとなっていきます。
更に詳しくお話しします。
1-1.キッチン
自分の部屋じゃないからと、キッチンに生ゴミを放置したり、汚れたテーブルを掃除しないという人も当たり前のようにいます。
誰のゴミかわからない、誰が汚したかわからない。
わかりやすい人間心理です。
体験談:
筆者のケースでは、本格的な自炊の人が入ってから夕方6時から7時くらいまでは炊飯器とキッチンが独占されました。長時間(日をまたぐ)保温(*炊飯器を保温状態で放置せず、使用したらすぐに洗うこと)しかも炊飯器は次の日まで保温放置、冷凍された魚の切り身がテーブルの上に放置(自然解凍?)なんてこともありました。
1-2.バス、トイレ
トイレの汚れや詰まりなども日常的に起こり得ます。
シャワールームの髪の毛詰まりも同様です。
少なくとも、管理会社が清掃業者に、定期的な掃除を委託しているシェアハウスを選ぶようにしましょう。
体験談:
筆者のケースでは、流されていない特大大便を目撃したこともあります。長髪の人が2人入居されてからは、髪の毛がいたるところに落ちているなんて普通でした。洗面台で髪を洗うのか、洗面台は毎日水浸しでした。(参考:筆者は超ショートヘア)
1-3.自部屋から共有スペースへの移動
特に水回りは共用スペースであるため、洗濯にしろ、シャワーにしろ、歯磨きにしろ、自身とそれぞれに必要な物の移動が伴います。
一人暮らしであれば、洗濯機の側に洗剤を、シャンプーやボディーソープはお風呂場に、歯ブラシや歯磨き粉は洗面台に置いておけば良いのですが…。
シェアハウスではそうはいきません。
常に必要なものを持って移動する必要があります。
トイレに手拭き用のペーパータオルなどがない場合は、都度ハンカチやタオルを持っていかなければならないことも、地味ですが面倒です。
体験談:
トイレのノブが濡れていたことがない、手を洗った様子もないので、住人は多分トイレを使った後、手を洗っていないのだと思います。
個室に洗面台があると、やや状況は変わります。
家賃とのトレードオフですが、筆者は洗面台ありの個室をおすすめします。
いずれにしても、不自由であることには変わりないかと思います。
毎日こういう生活になるということを想像してみましょう。
1-4.合わない生活リズム
朝型の人、夜型の人、夜勤の人、それぞれ生活の時間が異なることは大いにあり得ます。
アラームやYoutubeの音量、木造であれば扉の開閉にすら気を使います。
朝7時に洗濯する人。キッチン一つ、トイレ2つ、浴室一つ、シャワールーム一つ。5人居住者がいる場合、朝のお出かけ準備、昼食、夕食のタイミングが重なると、取り合いになることは想像できると思います。
個室に限らず、共用スペースでも同様です。
いつ洗濯機を回しても、いつシャワーを浴びても、誰かにとっては騒音になり得ます。
シェアハウスの規模や構造にもよるため、一概には言えませんが、一人暮らしでは気にする必要のないことまで考えなければならないことは確かです。
体験談:
筆者のケースでは、睡眠の妨げになることが一番気になりました。
就寝後に、酔っ払って帰ってきた人が大きな声で歌を歌っていたり、口笛を吹いたり、あるいは、スピーカーフォンで大声で会話していたり、深夜・早朝の洗濯機、ドライヤー、シェーバー使用、大きなドアの開閉音など。
耳栓は必需品です。
1-5.ハウスルールを守らない
電気つけっぱなし、椅子引きっぱなし。キッチンシンク周り、洗面台周囲水浸しに加え、シェアハウスの基本ルール(ハウスルール)を守れない(守らない)人がいます。
体験談:
以下は守られていなかったハウスルールの例です。
・長時間保温(炊飯器を保温状態で放置せず、使用したらすぐに洗うこと)
・お風呂の長時間使用(1回の使用時間はお風呂45分まで、シャワーユニットは20分まで)
・深夜(23時過ぎ)の洗濯機使用(23時~6時は洗濯機の使用禁止)
・日をまたいで洗濯機にある洗濯物を放置(洗濯が終わったら速やかに取り出すこと)
()内はハウスルールでの記述内容
1-6.他の住民とのトラブル
生まれも育ちも異なる人間同士が一つ屋根の下で暮らすわけですから、当然トラブルも発生します。
学校や会社でも人間関係の悩みはつきものです。
より距離感の近いシェアハウスでそれがない方が不自然でしょう。
騒音、ゴミの放置、電気の消し忘れ、食器の洗い残し。
些細なことが原因となります。
古株の住人の意見が強く、その住人がいつも使っている共用スペースのソファが使いづらい、冷蔵庫のスペースも遠慮しなければならないということもシェアハウスあるあるです。
体験談:
筆者の場合、トラブルに合いたくないので、放置・忘れ系は無視、生活リズムについては時間をずらすとかで距離をおいて生活することとなりました。
1-7.その他の体験
生活音が大きい人、ドアの開け閉め、椅子を動かすときの音、何か行動する毎に大きな音を立てる人。椅子、テーブル、食器、調理器具など共用の物を元の位置に戻せない人。電気を消せない人。
電気点けっぱなし、ドア開けっ放し、炊飯器の釜・しゃもじをちゃんと洗わない、椅子を元の位置に戻さない、ドアの開け閉め音が大きい(うるさい)方が入居されてから退去を真面目に考えました。
本人には悪気はないにしても、このような振る舞いは注意しても変わらないですから。
自分が「普通/正しいと思っていること」は他人の「普通/正しいと思っていること」と同じではないということです。
1-8.盗難の可能性
まさかと思われるかもしれませんが、よくある話らしいです。実際に玄関のカギが掛かっていないのを何度も見ましたので、外からの侵入者に盗られたり、他の住人に何かを盗らる可能性はあります。
共同生活を続けていると、住人の行動パターンのようなものが見えてきます。
土日休日のデスクワークのサラリーマンなどは、平日日中はまず不在です。
朝、出社する姿を見かければ、その日は夕方まで帰ってきません。
残念ながら、モラルの低い人は一定数いるもので、物がなくなるという話もいくつか耳にしました。
玄関の鍵かけ忘れ、共用スペースの電気つけっぱなし。
個室に鍵の付いていないシェアハウスは絶対に選んではいけません。
管理会社は何もしてくれません。自己責任です。
体験談:
筆者の場合は自部屋に鍵をかけることができましたので、部屋にいるときも外出する際も、必ず鍵をかけることにしていました。
1-9.アポなし内覧体験
空き部屋を埋めるべく、不動産屋さんが事前連絡もなく、内覧希望者を連れてきます。土曜日の午前中に来られた時はかなりびっくりしました。
2)プライバシーの確保は難しい
壁が薄い、隣室との距離が近いなど、プライベート空間が確保されにくいのが現実です。
アドバイス:
内覧時に「壁の厚さ」や「音の響き具合」を確認するのは必須です。できれば昼と夜、両方の時間帯でチェックを。日頃の住民の生活をうかがう上でも平日に内覧すると良いでしょう。
3)入居者の相性は運次第
どんなにいい物件でも、同居人の性格や生活習慣が合わなければストレスの原因に。シェアハウスは“家”であると同時に“人間関係”でもあります。
対策:
内覧時や契約前に、住人の年齢層・生活スタイルを聞いておくとミスマッチを防げます。
4)契約・退去の条件に注意
初期費用が安いシェアハウスでも、退去時に高額のクリーニング費や違約金が発生することも。
チェックポイント:
☆退去予告のタイミング(1ヶ月前?2ヶ月前?)
☆敷金・礼金・保証金の扱い
☆途中解約の違約金
5)ライフスタイルとの相性を見極めよう
朝型の人、夜型の人、テレワーク派、外出派…自分の生活リズムに合わないとストレスが蓄積します。
私の結論:
短期的な節約にはなるが、長期的に見ると精神的コストが大きいと感じました。
6)まとめ
全体的にネガティブな情報ばかりとなってしまいましたが、冒頭に挙げたメリットだけではないという、現実をお伝えしました。
もちろん、シェアハウスを利用する人の性格にもよると思います。
我が道を行く、他人の目をあまり気にしない方には本記事のようなことは当てはまらないでしょう。
椅子を使ったら、そのまま。食器をつかったら、そのまま。トイレの蓋を開けたまま。など、元の位置に戻すことができない人は多いです。公共スペースで普通に見られる光景がシェアハウスでも見られます。自分の所有物でないものを手荒に扱う人も多いです。
メリットとしては、固定費の削減ができ、購入しなければならない日用品や生活用品も減ります。
大型 家電も基本的には不要で身軽です。
このようなメリットに対してデメリットについても、自身の性格と相談し、よく考えて判断されるのがいいかと思います。
複数の物件を内覧し、管理会社への質問リストを準備し、自身が妥協できるポイントとそうでないポイントを明確にしておくことも大切です。
7)アドバイス:シェアハウスを選ぶ前にチェックすべきこと
☆内見時に実際の生活音や共用部の状態をチェック
☆契約条件(特に退去時)を細かく確認
☆自分のライフスタイルと合致するかを冷静に考える
8)こぼれ話 – 浜松で感じたこと
自由な人々の街と感じました。歩道を大勢で並列歩き(5人並列を見ました。)する人々。反対からすれ違おうとしてもよけてくれません。路上で何をするでもなくぼーっと立っている人々。歩道を自転車が並列走行(右側走行で3並列を見ました)。夜の自転車は無灯火が普通。地下道で歩きたばこ。酒癖の悪い人々(へべれけになるまで飲んで大声を出しながら歩く人々。路肩にゲロ、糞を見たことがあります。)週末、夜は暴走族、スケボーグループ、飲んだくれなどでにぎやかです。特に駅近で見られるので心穏やかに暮らしたい人は駅近を避けた方が良いかもです。
本音:
正直、知らない人と生活空間・生活マナーをシェアするシェアハウスは私には合いませんでした。心穏やかに過ごすため普通の賃貸物件にて一人暮らしを再開します。
この記事がシェアハウス選びの一助となれば幸いです。
コメント