今回のテーマは、「FIREは持たざる者のリベンジである」という少し刺激的な視点から、FIRE(経済的自立と早期退職)を深掘りしてみたいと思います。
そもそもFIREとは?
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的自立を達成し、早期に退職するライフスタイルのことです。
- 収入:主に株式などの金融資産から得られるキャピタルゲインやインカムゲインで生活
- 目的:働かずに自由な時間を得ること
特にコロナ禍以降、FIREという言葉はSNSやメディアで頻繁に見られるようになり、**若者が目指す「新しい生き方」**として注目されています。
【1】FI(Financial Independence:経済的自立)のハードルとは?
FIを目指すには、「収入>支出」の状態を長期的に維持することが絶対条件です。
ただし、その道のりには大きな出費の壁が立ちはだかります。
三大支出の壁:
- 住宅費
- 自動車
- 保険
これらは人生の大きな固定費としてのしかかり、FIREへの道を遠ざけます。
家族を持つという選択とFIREの矛盾
- パートナーが浪費家であれば計画は破綻します。
- 教育費の現実:子ども1人につき約3,000万円(塾・私立・大学含む)
- 2人いれば6,000万円。これを運用すれば20年で1億円にも。
FIREを目指す親が、学歴社会に適応させようとする矛盾。
“自由”のために“レール”を強いる。これは果たして本末転倒では?
FIの本質:持たないことの覚悟
FIREを真剣に目指すには、欲望をコントロールし「持たない」選択を積み重ねることになります。つまり、FIREとは”持たざる者”が最も現実的に達成しやすい生き方とも言えるのです。
【2】RE(Retire Early:早期退職)の現実
「早期リタイアしたら自由で楽しい毎日が待っている」…果たして本当にそうでしょうか?
ジャムの法則が示す自由の不自由
「選択肢が多すぎると、人はかえって行動できなくなる」という心理現象をご存じですか?
ジャムの法則(Jam Study)
選べるジャムが24種類のときより、6種類のときの方が購入率が10倍に上がったという研究結果。
これは、FIRE後の人生にも当てはまります。
- 「自由にしていいよ」と言われても、何をしていいかわからない
- 限りない自由が、逆に自分を縛ることもある
社会的孤立のリスク
- 会社を辞めると、人間関係が切れます
- FIRE後は「誰も自分に興味を持ってくれない」状態に
- 話が合わなくなり、交流が途絶えていくことも
FIRE後の生活では、「自分で人間関係も人生も築く覚悟」が必要になります。
【3】結論:FIREは持たざる者が持つ者に対するリベンジなのか?
FIREは、**「家族・住宅・キャリア」などを持たない人が、それを持つ人に対して“逆転する方法”**とも捉えられます。
- 嫌な仕事を辞められる
- 縛られない生活を選べる
- 消費よりも自由を選ぶ生き方
「不要な物や人間関係」を持たないほど、FIREの実現は現実味を帯びてきます。
ただし、本当に仕事が嫌いなのか?
それとも、環境や人間関係が嫌なだけなのか?
自分に問い直す必要があります。
【4】筆者の実体験と考え
私自身は結婚せず、家や車、高額な保険にも加入していません。FIREの実現においては、**“結果的に持たざる者”**でした。
若い頃からそう決めていたわけではなく、選択肢やチャンスを逃してきた結果です。
少しの貯蓄があるとしても、それは経験し損ねた数々の「人生の機会」の代償です。
私はFIREを「リベンジ」とは考えていません。
むしろ、失った時間を取り戻すための手段であり、
未来の自分へ時間を送るための貯金だと思っています。
【5】FIREはゴールではない。人生の再スタート地点
タイ・パタヤで長期滞在中、ビーチで毎日ビールを飲み続けるリタイア組をたくさん見かけました。
果たしてこれが「理想のFIRE」でしょうか?
人それぞれかもしれませんが、私は**「人生までRE(リタイア)」したくはない**と思いました。
【6】まとめ:後悔しないFIREを目指して
FIREは「持たない人生の逆転劇」であると同時に、
「本当にやりたい人生」を実現するためのスタートラインでもあります。
- 何のためにFIREを目指すのか?
- FIRE後に何をするのか?
これらを明確にしないまま資産だけを貯めてしまうと、大切な人生の“体験”を逃してしまうかもしれません。
🔍 あなたにとっての「FIRE」とは?
この記事が、FIREを目指す方にとって何かのヒントになれば幸いです。
「自分のFIREプラン」や「FIRE後の夢」がある方は、ぜひコメント欄やSNSでシェアしてください!
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