ブルガリア事件とは?プロ野球界に残る“珍事件”を解説

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プロ野球ファンの間で語り継がれる「ブルガリア事件」。
これは、2004年6月1日に福岡ドームで行われたダイエー対ロッテ戦で起きた、杉内俊哉投手(当時ダイエー)のベンチ内での出来事に由来します。単なる誤植からネットミーム化したこの事件は、今もなおプロ野球ファンの間で語られる“伝説”となっています。

事件の概要

2004年6月1日、杉内俊哉投手はロッテ戦に先発しました。しかし2回途中で7失点と大炎上。怒りを抑えきれず、ベンチに戻った杉内は帽子やグラブを叩きつけ、さらにベンチを殴打。ついには左手・右手の両方で殴ってしまい、小指付け根を骨折する重傷を負いました。

このケガにより杉内は 全治3か月、シーズンの大半を棒に振ることになります。球団からは罰金100万円・謹慎10日が科され、その後さらに600万円に増額。監督の王貞治氏も「絶対にやってはいけないことだ」と厳しくコメントしました。

「ブルガリア」という謎の単語

事件自体は深刻でしたが、さらに世間をざわつかせたのが 「ブルガリア」という謎の言葉 です。

スポーツ紙各社がこの件を報道するなか、日刊スポーツのネット記事に

「利き手はやめろブルガリア!ブルガリア!」

と掲載されてしまったのです。

当然ながら意味不明。記事は後に修正されましたが、唐突に登場した単語の奇妙さからネット上で瞬く間に拡散され、以降「ブルガリア事件」と呼ばれるようになりました。

ネットで飛び交った“ブルガリア”の解釈

この不可解な単語について、当時ネット上ではさまざまな説が飛び交いました。

  • 単純に日刊スポーツの誤植
  • 記者の聞き間違い説
  • 杉内がチーム内で「ブルガリア」と呼ばれていた説
  • M社ヨーグルトのステルスマーケティング説

いずれも決定的な根拠はなく、ファンの間ではネタとして消費され続けました。

城島健司氏の証言

長らく真相は不明のままでしたが、2020年、西日本スポーツの電話インタビューで当時の正捕手・城島健司氏が言及しました。

「そんなこと言うわけないやん!(笑)
ブルガリア? 琴欧洲しか思い浮かばんけどなぁ。
『利き手はやめろ』とは言ったけど、その後に何て叫んだかなんて覚えてないですよ」

この証言により、少なくとも「杉内のあだ名がブルガリアだった」という説は否定されました。

事件の意味するもの

筆者として興味深いのは、誤植や曖昧な記憶から生まれた“言葉”が、ネットの力で全国に広まってしまう という現象です。

当時はSNSが普及し始めた時代。偶発的な単語が「ミーム」として拡散し、長く残ることの象徴的な事例といえるでしょう。

スポーツとしては残念な事件でしたが、インターネット文化の一面を示すユニークな出来事でもあります。


まとめ

  • 「ブルガリア事件」とは、2004年の杉内俊哉投手のベンチ内暴行事件と日刊スポーツの誤植から生まれた呼称
  • 「利き手はやめろブルガリア!」という謎ワードがネットで拡散し、ネタ化
  • その後も真相は不明だが、城島健司氏が「そんなこと言うわけない」と否定

プロ野球の“黒歴史”でありながら、ネット文化における“珍事件”として今も語り継がれています。

プロフィール
著者
diamondken

完全FIREを目指している一般独身男性。
約30年、自動車業界/外資系自動車部品メーカーに従事。
自動車用電装部品の開発にてSW, HW, SYS, PMを経験/担当し今に至る。
趣味はテニス、映画/音楽鑑賞、ゲーム(PS)、読書、旅行、楽器/エレキギターなど。
完全FIRE/経済的自立を実現すべく、資産運用、副業、投資、税金について勉強中。
TOEICスコア: 960

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