【最新】コネクティッドカーとは?仕組み・メリット・懸念点をわかりやすく解説

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近年、自動車業界で急速に注目されているキーワードの一つが「コネクティッド(Connected)」です。
この記事では、CASE(Connected / Automated / Shared / Electric)の「C」にあたる「コネクティッド」について、基本から最新動向までをわかりやすく紹介します。

自動車業界のトレンドを理解したい方や、次の愛車選びの参考にしたい方に役立つ内容です。


コネクティッドとは?

「コネクティッド」とは、車とインターネットを常時接続する技術を指します。
IOT(Internet of Things=モノのインターネット化)の一環として、車も通信ネットワークにつながり、他の車やインフラ、クラウドとデータをやり取りできるようになっています。

これにより、車は単なる移動手段ではなく、**情報を共有・分析し、より安全で快適なモビリティを実現する「スマートデバイス」**へと進化しているのです。

ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の車載化とも言えるでしょう。


コネクティッドカーの主なメリット

① 緊急通報機能(eCall)

事故や異常を感知した際、車が自動的に緊急通報センターへ連絡します。
エアバッグの作動、車両の転倒、ドライバーの体調異常などを検知すると、GPS情報とともに救急機関に通報。
ヨーロッパではこのシステム(eCall)が2018年から義務化されています。
日本でもトヨタや日産、ホンダなどが同様の機能を導入しています。


② 車両追跡と盗難防止

自分の車の位置情報をスマートフォンなどで確認できるほか、盗難時には警察と連携して追跡が可能です。
「Nissan Connect」や「T-Connect」などは、盗難時にリモートでエンジンを停止するサポートも提供しています。

安心・安全を支える代表的な機能です。


③ テレマティクス保険による保険料の最適化

コネクティッド技術を活用した「テレマティクス保険」が広がっています。
車の走行データ(速度、走行距離、急ブレーキ回数など)をもとに、安全運転をする人ほど保険料が安くなる仕組みです。
ソニー損保やあいおいニッセイ同和損保などがすでに導入しており、今後ますます普及が見込まれます。


④ エンターテインメント機能の拡充

コネクティッドカーでは、YouTube・Netflix・Amazonプライム・Spotifyなどの動画・音楽ストリーミングサービスを車内で利用可能に。
Appleの「CarPlay」やGoogleの「Android Auto」により、スマホアプリを車載ディスプレイでシームレスに操作できます。
運転者以外の同乗者にとっても、車内が快適なリラックス空間になります。


⑤ フレキシブルなルート検索

従来のカーナビに加えて、リアルタイムの交通・気象・災害情報を共有し、最適なルートを提案するシステムが進化しています。
他車との情報共有やVICSデータ(道路交通情報通信システム)により、渋滞を効率的に回避できます。


⑥ OTA(Over The Air)によるソフトウェア更新

スマートフォンのように、車のソフトウェアをリモートで自動更新できる仕組みです。
テスラが先行して採用しており、車をディーラーに持ち込むことなく最新機能を追加できます。
トヨタやマツダ、日産など国産メーカーも順次導入を進めています。


⑦ 自動運転への布石

コネクティッド技術は、自動運転の実現に欠かせません。
車同士(V2V)やインフラ(V2I)との通信により、交通状況を共有して事故リスクを減らします。
5G通信の普及により、リアルタイムでの車間通信が可能になり、自動運転の精度向上に直結しています。


コネクティッドカーの懸念点・リスク

① ハッキングやサイバー攻撃

コネクティッド化が進む一方で、サイバーセキュリティの脅威も無視できません。
過去にはフォード車のハッキングや「リレーアタック(スマートキー盗難)」が話題になりました。

メーカーはセキュリティ強化を進めていますが、ユーザー側も以下の点に注意が必要です。

  • ソフトウェアを常に最新に保つ
  • 信頼できないアプリやサイトにアクセスしない
  • 強固なパスワードを設定・管理する

日本メーカーのコネクティッドサービス例

メーカーサービス名主な特徴
トヨタT-Connect緊急通報、車両追跡、遠隔操作、ナビ更新など
日産Nissan Connect位置追跡、ドアロック、バッテリー状態確認など
マツダマツダコネクティッドサービスリモート操作、走行履歴、メンテナンス通知など

これらのサービスは、車購入時に標準搭載されている場合も多く、今後は新車のほぼすべてが「コネクティッド化」されると言われています。


今後の展望:コネクティッドがもたらす未来

2030年代に向けて、自動車は単なる移動手段から「移動するスマートデバイス」へと変化していくでしょう。
自動運転、シェアリング、EV化と連動し、社会全体の交通効率や安全性を高める基盤になると期待されています。

また、生成AIとの連携によって、ドライバーの嗜好に合わせたカスタマイズや、リアルタイムの音声アシスタントも進化しています。
たとえば、ChatGPTを活用した車内対話システムが欧州で試験導入されており、車が「会話できるパートナー」になる日も近いかもしれません。


まとめ:コネクティッドは“次世代のクルマ常識”

コネクティッドカーは、「安全」「快適」「効率化」を同時に実現する次世代の自動車技術です。
ただし、利便性と引き換えにサイバーリスクもあるため、技術とセキュリティの両面での進化が求められます。

今後、車を購入・乗り換える際には、「どんなコネクティッド機能を備えているか」も重要なチェックポイントとなるでしょう。

Technology/テクノロジー特集:コネクティッド編
自動車業界の動向を知るきっかけになれば幸いです。

プロフィール
著者
diamondken

完全FIREを目指している一般独身男性。
約30年、自動車業界/外資系自動車部品メーカーに従事。
自動車用電装部品の開発にてSW, HW, SYS, PMを経験/担当し今に至る。
趣味はテニス、映画/音楽鑑賞、ゲーム(PS)、読書、旅行、楽器/エレキギターなど。
完全FIRE/経済的自立を実現すべく、資産運用、副業、投資、税金について勉強中。
TOEICスコア: 960

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