― 日本と海外の投票運営を比べて見えた「本当の課題」
先日、衆議院選挙の投票のため、最寄りの役場を訪れました。
そのとき、正直に感じたのがこの疑問です。
「人、多すぎじゃない?」
私一人の有権者に対し、確認・案内・配布・立会いなどを含めると、ざっと15人前後が配置されていました。
一人ひとりの役割は細かく分かれており、
- はがき確認
- 生年月日確認
- 投票用紙の交付(2種類で別担当)
- 立会人が3人
- そのほか待機している人たち
という体制。
しかも、聞くところによると日当は約12,000円とのこと。
一方で、ニュースではこう報じられています。
📉 投票所は年々減少している
総務省の発表によると、今回の参議院選挙で設置される投票所は 44,758か所。
これは前回(2022年)より 1,267か所の減少です。
- 投票所数は2001年をピークに減少傾向
- 沖縄を除く46都道府県で減少
- 理由は「人口減少」「自治体職員・立会人の確保が困難」
さらに、投票所の約4割で閉鎖時間が繰り上げられる見込みで、人手不足の深刻さがうかがえます。
🤔 なのに、現場では「人が余っている」ように見える理由
ここで、多くの人が感じる違和感が生まれます。
人手不足と言いながら、
なぜ投票所ではこんなに人が多いのか?
この矛盾の正体は、日本の選挙制度が極端に「人力前提」で設計されていることにあります。
日本の投票所運営の特徴
- 不正防止・公平性確保を最優先
- 複数人による相互チェックが前提
- 業務の「分業」が細かい
- IT化・省力化が進みにくい
これは「悪」ではありませんが、人口減少社会ではコスト構造が合わなくなってきているのも事実です。
🌍 海外の投票運営はどうなっている?
ここで、海外と比較してみましょう。
🇺🇸 アメリカ
- 投票所スタッフは必要最小限
- 事前登録制が徹底
- 郵便投票・期日前投票が主流
- 一人で複数業務を担当するのが普通
👉 **「投票日=最終手段」**という位置づけ
🇩🇪 ドイツ
- 投票は非常にシンプル
- 立会人はいるが人数は最小限
- 郵便投票の利用率が高い
- 投票用紙は1枚のみで運用が軽い
👉 「簡素・正確・低コスト」を重視
🇪🇪 エストニア
- インターネット投票が本格導入
- 自宅から投票可能
- 投票所人員は最小限
- 行政全体がデジタル前提
👉 人手よりシステムで信頼性を担保
🇯🇵 日本との決定的な違い
海外と日本を比べると、違いは明確です。
| 観点 | 日本 | 海外 |
|---|---|---|
| 不正防止 | 人の目で管理 | システム+責任分担 |
| 人員配置 | 多人数・分業 | 少人数・兼務 |
| 投票方法 | 当日投票中心 | 期日前・郵便・オンライン |
| コスト意識 | 見えにくい | 明確に意識される |
日本は**「性善説+人海戦術」**で成り立っている選挙運営だと言えます。
💸 税金の使い方として妥当なのか?
筆者として率直に感じたのは、
不正防止は大切
でも、今のやり方が「最適」かは別問題
という点です。
- 有権者1人に対して十数人
- 投票者が少ない時間帯でも同じ体制
- 人手不足なのにコストは固定化
これは、制度が時代に追いついていないサインとも言えます。
🔄 日本でも始まりつつある改善の動き
希望がないわけではありません。
- 移動式期日前投票所
- オンライン立会いの実証実験
- 電子投票の限定導入検討
など、少しずつですが「人を減らす方向」の議論も始まっているそうです。
📝 まとめ:違和感を持つことは、健全な民主主義
「投票所の人員、多すぎでは?」
この疑問は、単なる愚痴ではありません。
それは、
- 税金の使い方
- 人口減少社会への適応
- 民主主義の持続可能性
を考える入り口です。
海外の例を見ると、
「公平性」と「効率性」は両立できることが分かります。
日本の選挙運営も、
「安心のために人を増やす」から
「仕組みで安心をつくる」段階へ
そろそろ進む時期なのかもしれません。

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