今回は「電動化」についてお話ししたいと思います。
ここで言う「電動化」とは、現在自動車業界で開発が進んでいるCASE (Connected Automated/Autonomous Shared Electric)の”E” 電動化についてです。
この記事を読むことで、自動車業界の動向を学ぶ際や自動車購入の参考になれば幸いです。
さて、電動化と言えば、電気自動車”EV”をイメージされる方が多いと思います。
しかしながら、非電動自動車が普及している現代社会では電気自動車はまだマイナーな存在です。
現時点での電気自動車のメリットとデメリットは下記です。
メリット;
〇内燃機関/化石燃料を使わないので、CO2が発生しない。
〇振動や騒音が少ない。
〇車の制御に必要な入力:搭載されたセンサー類からの入力情報(Input: 温度、湿度、加速度、速度、位置情報、など)と車の制御に必要な出力:駆動力、制動力、ハンドル/ステアリング、アクセル、ブレーキ操作、などの出力(Output)を使って電気的に車を制御可能となる。 このことが”CASE”の”C”と”A”に関連しています。
デメリット;
〇現在の充電池(リチウムイオン電池)では充電時間がかかる、航続距離が短い、重量が重い、値段が高い。
〇現在の充電池(リチウムイオン電池)では発熱・発火の課題がある。使用温度や電解液の取扱いに注意が必要。
〇電気を作るためにCO2が発生する。太陽光や風力といった再生可能エネルギーや原子力だけで発電するのであれば排出ガスは事実上ゼロですが、現在の日本の発電量の84%は火力発電。車の排出するCO2の代わりに発電所で排出している。
〇電動化とコネクティッド、自動化の組み合わせでハッキングされた時のリスクが高まる。
〇充電池の処理に手間がかかるので、再利用が課題。
なお、上記についてはインフラに関するもの(電気代、税金、チャージステーションの数など)は省略しております。
筆者としては、今後のEV普及の鍵となるのは充電池で、開発の進んでいる”全個体電池”(リチウムイオン電池の様に電解液がなく、正極と負極の間に電解質セパレーター層のみがある電池)がいつ量産化されるかにかかっていると思います。そして、電気をどう作るのかが次の大きな課題と思います。
参考までに、全個体電池のメリットとデメリットは下記です。
全固体電池のメリット;
〇安全性が高い。液漏れが起こらない。(取り扱いやすい。)
〇超急速充電が可能
〇高エネルギー密度 (大容量)
〇作動温度範囲が広い
〇設計の自由度が高い
〇劣化しにくい
全固体電池のデメリット;
〇電極と電解質の界面抵抗が大きい
以上、Technology/テクノロジー – 電動化についてでした。
この記事を読むことで、自動車業界の動向を学ぶ際や自動車購入の参考になれば幸いです。
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