今回は「FIREは持たざる者のリベンジ」についてです。
“FIRE”とはFinancial Independence, Retire Earlyの略語で、株などの金融資産から得られるキャピタルゲインとインカムゲインだけで生活(経済的自立)できるようになり、早期に退職して悠々自適に暮らすことを意味します。
コロナ渦から、巷でよく耳にするようになった略語で、若者が目指す理想の生き方になっているようです。
[1]”FI”部分
“FI(経済的自立)”部分について、全ては”収入vs支出”次第ということ。
まず、ハードルとして家、車、保険…、いわゆる3大支出が立ちはだかります。
独身、かつ硬い意志があれば何とかなりそうですね。
そして、結婚…。パートナーが浪費家なら計画壊れるし、子供ができて塾へ行かせて私立中学、大学まで行くと…、子供の教育費だけで一人当たり3000万ぐらい必要でしょう。子供が2人で6000万円です。
これだけのお金をインデックス投資で20年運用したら1億ぐらい貯められます。
FIREしようとする親が、能力主義になろうとしている社会で学歴強者の子供を育てる…。何か矛盾している気が…。
要するに、FI達成には少なからず金銭的欲望を抑制する必要あるため、人生通じて経験する様々な欲/経験を手放していくことになります。つまり、究極は”持たざる者”となる訳です。
[2]”RE”部分
“RE”部分について、”早期に退職して悠々自適に暮らす…”とはいえ、人は何をしても自由と言われたら、意外に不自由に感じるかも知れません。
ジャムの法則;
ジャムの法則(Jam study)とは、1995年にコロンビア大学に所属するシーナ・アイエンガー教授が発表した法則で、人間の選択肢に対する行動のことで、検討できる選択肢が増えると逆に選択が難しくなるという法則のこと。
ジャムの試食から購入の傾向を見る実験の結果、試食をした人数は「24種類のジャムが置いてあるグループ」の方が多いが、「6種類のジャムを置いてあるグループ」の購入率は10倍となった。
この結果から「人は選択肢が多すぎると一つのものを選ぶのが難しくなり選択すること自体をやめることもある」という心理作用が発見された。その法則の特性から「決定回避の法則」とも言われている。
このジャムの法則、釈放された囚人が犯罪を繰り返して刑務所に戻る話、飼われた野生動物は逃げなくなる話、など。人によっては生きていければある程度制限がある方が居心地が良いと感じる場合もあるようです。
また、”RE”後は会社/社会との関係は立たれ、社会的に孤立することになります。社会的に孤立しないようにするかどうかは自分次第です。会社時代の知人・友人を交流が続いたとしても、次第に話が合わなくなり途絶えるでしょう。何をしているか気にかけてくれる人はいません。
つまり、何をするかは全て自分次第ということです。
[5]まとめ
結論、(不要な)物、人間関係を持たない人ほどFIREを達成しやすいということです。”不要な”の部分は人に依りますが…。
一人なら、好きなだけ切り詰められます。FIREが話題になっているのは、家、パートナーや子供を持っていない人が、”嫌な仕事を辞めて”、持っている人に対してリベンジできるという事でしょう。
注)”嫌な仕事”については、本当に仕事が嫌いなのか、単に仕事環境/人間関係が嫌なのではないかを自問してみましょう。
しかしながら、持っている人(持っているものに満足している人)、”仕事が嫌”じゃない人は無理にFIREを目指す必要はないと思います。
FIREを目指して資産を貯める事を 人生の1番の目的にして、経験するであろう貴重な経験を見逃してしまっては本末転倒ですよね。
筆者は結婚できなかったので、独身です。高額保険、高級車、家も持っていません。つまり、持たざる者です。ただ、それは結果的にそういう状況になっているだけで、若いころからそうしようと思っていた訳ではありません。今、少しお金があるとしても、それは経験できたであろう色々な事を犠牲にした結果です。どう言われてもかまいませんが、筆者のFIREは”リベンジ”はなくて、失った時間を取り戻す行為と考えています。貯金とは未来の自分に(時間を変換した)お金を送る行為ですから。
そして、筆者はFIREとは自分のやりたいことができる・真の人生が始まる状態と考え、FIRE後に何をするのかが重要と考えます。
筆者はタイ/パタヤに長期滞在中、毎日ビーチでリタイヤした人々がうつろな目でビールを飲みながらだらだらしているのを見ました。これが理想でしょうか…。
人それぞれですが、人生まで”RE”したくないと思いました。後悔のないFIREを目指しましょう!!!
以上、今回は「FIREは持たざる者のリベンジ」でした。
この記事を読むことで皆様のFIRE活動の参考になると幸いです。
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