米国債投資を考える

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今回は「米国債投資」についてです。

この記事を読むことによって皆様の投資活動のご参考になると幸いです。

[1] 米国債とは、

米国政府の信用に基づいて、米国財務省が発行する債券のことで、「米国財務省証券」とも呼ばれています。信用度や流動性が高く、取引が活発に行われていて、米国国債10年の利回りは、2022年4月1日の2.390%から2023年3月31日の3.474%に上昇。新規発行の債券では、金利が上昇すると受け取れる利子も増えるので、米国債に対する関心が高まっています。

米国債は、利子の受け取り方で「利付債」と「割引債」の2つに分類されます。

・利付債

保有中に利子が支払われる債券。額面金額で発行され、デフォルトがなければ、償還期限(満期)を迎えると額面金額(元本)が払い戻され、満期を迎えるまでに年2回(半年毎に)利子を受け取るのが一般的。

例えば、「額面金額1万米ドル、利率年4%、満期10年」の米国債(利付債)に投資すると、保有中は年400米ドル(1万米ドル×4%)の利子が支払われ、満期時(10年後)に1万米ドルが戻ってくる(注;税金、手数料等は含まず)。定期的に利子収入を得たい場合に向いていると言えますね。

・割引債

見た目に利子が付かない債券。額面金額から一定額を差し引いた価格で発行され、満期時に額面金額が戻る仕組み。途中の利払いはないが、額面金額と購入金額の差額が利付債の利息に相当。

例えば、「額面金額1万米ドル、満期10年」の米国債(割引債)を7,000米ドルで購入すると、満期時(10年後)に1万米ドルが戻るため、額面金額と購入金額の差額3,000米ドルが利益となる(注;税金、手数料等は含まず)。割引債は利子の受取などの管理をしたくないが、「複利運用効果」を得たい場合に向いていると言えますね。

参考)米国割引債の場合、利付債の元本部分と利子(クーポン)部分を切り離し、それぞれをゼロクーポンの割引債として販売する「ストリップス債」が代表的。

[2] 税金

利付債の利子は支払時に税金が源泉徴収されるため、申告不要で課税関係が終了。利付債と割引債の譲渡益・償還差益は、「特定口座(源泉徴収あり)」で保有していれば、金融機関が源泉徴収してくれるので、確定申告は不要。ただし、「特定口座(源泉徴収あり)」以外の口座での株式、公社債および投資信託の売買による損益の譲渡損との損益通算や「特定口座(源泉徴収あり)」口座での損益と他社との損益の合算をする場合には確定申告が必要となる。

[3] メリット

①購入時に外貨ベースでの利回りが分かる

米国債は、あらかじめ利率や利払い日、償還期日などの条件が決まっていて、発行体が破綻しない限り、その条件通りに利子や額面金額の支払いが行われる。満期まで保有する場合は、購入時に外貨ベースでの利回りが分かるため、投資判断しやすい。

②手間いらず

米国債は、株、投資信託などのように現在価格を絶えず気にする手間がかからない。発行体が破綻しない限り満期まで保有すれば、額面金額が戻ってくる。利付債は定期的に利子が支払われ、割引債は額面金額と購入価額の差が利益となる。

[4] デメリット/リスク

①為替変動リスク

米国債は米ドル建ての外国債券のため、為替変動リスクがある。「1米ドル=100円」のときに、米国債を1万米ドル(100万円)購入する場合、満期時あるいは中途換金時に「1米ドル=120円」の円安になれば、20万円の為替差益(1万米ドル×(120円-100円))を得られるが、「1米ドル=80円」の円高になると、20万円の為替差損(1万米ドル×(80円-100円))が発生する。米国債は購入時に米ドルベースの利回りが確定するが、為替相場の動向によっては円換算後の金額が元本割れする可能性がある(要注意)。

②価格変動リスク

米国債は、満期を迎える前に売却することも可能。途中売却の場合は、売却時の市場価格で取引される。発行時より金利が上がると債券価格は下がり、発行時より金利が下がると債券価格は上がるのが一般的。金利動向によっては購入時より債券価格が値下がりし、途中売却で元本割れする恐れがある

③デフォルトリスク / カントリーリスク

米国債は、米国が発行体であるため信用度が高いと言われるが、債券にはデフォルト(債務不履行)リスクがある。将来、何らかの理由で米国の財政が悪化すれば、元本が戻らない可能性もゼロではない(要注意。例;2023年5月にこの恐れがありましたね。)。

[5] 買い方

米国債を取り扱っている金融機関で口座開設し、購入資金を入金すると取引できる。取扱銘柄は金融機関によって異なるので、ホームページ等で確認しましょう。利回りや償還期日、発行価格などの条件を比較・検討し、投資銘柄を選んで発注、注文が成立すると、取引報告書が交付されるという流れ。

投資信託/ETF(AGG、TLT、EDVなど)で購入する選択肢もあるが、この場合、上記メリット①②は享受できず、株、投資信託などのように現在価格を絶えず気にする手間がかかる。

[6] まとめ

米国債は信用度や流動性が高く、購入時に米ドルベースの利回りが確定するのが特徴。(デフォルトなく)満期まで保有すれば元本が戻ってくるので、値動きなどの確認の手間いらずで投資できる。ただし、為替変動リスクがある点に要注意。

著者のぼやき; 米国にて金利が上がっている昨今では米国債の追加購入を真剣に考えています。昨年秋に利付債を購入しましたが、その時よりも若干円安ドル高になっていること(為替状況)と、先日米国債の格付けが下がったこと(AAA –> AA+)が踏みとどまっている原因です。

以上、今回は「米国債投資」についてでした。

この記事を読むことによって皆様の投資活動のご参考になると幸いです。

プロフィール
著者
diamondken

完全FIREを目指している一般独身男性。
約30年、自動車業界/外資系自動車部品メーカーに従事。
自動車用電装部品の開発にてSW, HW, SYS, PMを経験/担当し今に至る。
趣味はテニス、映画/音楽鑑賞、ゲーム(PS)、読書、旅行、楽器/エレキギターなど。
完全FIRE/経済的自立を実現すべく、資産運用、副業、投資、税金について勉強中。
TOEICスコア: 960

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