今回は「FIRE民とは少数派」についてです。
まず、FIREした人々はFIRE民と呼ばれています。 本記事を通じてこのFIRE民が少数派であることを再確認したいと思います。
[1]日本のサラリーマン人口/割合
まず、日本のサラリーマン比率は統計局の出しているデータ(2017年：少し古い…)によると、就業者6311万人の内分けは下記の通りです。
・雇用者：5553万人（内正社員3302万人・非正規社員1906万人）
・役員：344万人
つまり、6311万人のうち、5553万人が雇用者ですので、雇用者の割合は87％に上ります。日本はサラリーマン割合が87%であり、各国と比べても多い比率です。
一方で自営業者は、554万人。就業者の内8%が自営業者と言えます。自営業＋雇用者で考えますと、実に割合的には91%が雇用者と言うことになります。（理由は分かりませんが、就業者数の残り204万人はどこかへ…）
[2]金融資産保有層
次に金融資産保有層について、上記表から、超富裕層（5億円以上）が9万世帯、富裕層（1億円以上、5億円未満）が139.5万世帯、準富裕層（5千万円以上、1億円未満）が325.4万世帯、アッパーマス層（3千万円以上、5千万円未満）が726.3万世帯、マス層（3千万円未満）は4213.2万世帯と言う分布になっています。
2021年の総人口は1億2550万2千人で5,413.4万世帯なので、
総世帯数に対して、超富裕層（5億円以上）は0.17%、富裕層（1億円以上、5億円未満）は2.58%、準富裕層（5千万円以上、1億円未満）は6.01%、アッパーマス層（3千万円以上、5千万円未満）は13.42%、マス層（3千万円未満）は77.83%という分布です。
[3]金融資産保有層の推移
そして、2005年～2021年間での各層の推移は下記の様になっていて、
超富裕層について、資産:2.28倍、世帯数:1.73倍に増加。
富裕層について、資産:1.55倍、世帯数:1.72倍に増加。
準富裕層について、資産:1.42倍、世帯数:1.16倍に増加。
アッパーマス層について、資産:1.35倍、世帯数:1.03倍に増加。
マス層について、資産:1.32倍、世帯数:1.1倍に増加。
という状況から、超富裕層と富裕層が2倍近く増加していて、それらとマス層の差が年々大きくなっていることがうかがえます。
[4]まとめ
FIRE（特にFI(経済的自立)）の定義として、生活費を保有(金融)資産の4%でまかなうがありますが、
例えば、年間の生活費が300万円の人の場合、その300万円を金融資産を年利4%で運用して得るには7500万円必要となります(所得税を考慮しない場合)。加えて、予期せぬ出費に対応するための生活防衛資金（株価暴落時に備えて生活費の1～3年分）が必要とも言われています。
[補足] “4%”とは、1998年に米トリニティ大学のグループによって発表された資産運用に関する研究から導かれたもの。 毎年、資産運用額の4％未満を生活費として切り崩していれば、30年以上が経過しても資産が尽きる確率は非常に低いという内容。”7500万円”の計算の内訳；7500万円 = 300万円 ÷ 0.04。]
この状態は金融資産保有層で言うと準富裕層に当てはまり、全体の6.01%です。100人中の6人。この数字からもいかに異質な存在であることが想像できるかと思います。
金銭感覚が近い人、会話をしていても話が合う人は100人中の6人。この層に至るまでに金銭感覚が研ぎ澄まされ、質素倹約な生活を過ごしている人々ならなおさらです。この状態では残りの人々からは異質な存在と見られ、次第に孤立していくことになるでしょう。
“幸福の資本論（橘玲さん著）”には、人の幸福の条件には、自由、自己実現、共同体の3つがあり、これらの条件に対応するには”金融資産”、”人的資本”、”社会的資本”がインフラとして必要とあります。 フルFIREするということは、（特にサラリーマンの方々は）この内、人的資本、社会的資本が次第に失われていくことになるでしょう。
この事態を避けるには、人的資本については自身のスキルを絶やすことなく、嫌にならないレベルでボランティアや単発の仕事をすることで、社会的資本はスポーツ、趣味などのグループに属すことで対応していけるかと考えます。
何かを得るには何かを失うと言うことでしょう。フルFIREを目指す上で、以上の点について計画を立て、覚悟を持って実行に移したいと思います。
加えて、(物、サービス、人の)断捨離、過度な承認欲求をなくす、完璧を求めない（上を見ればきりがない）、人と比較しないことなどのマインドセットも大事です。
…と、何か堅苦しい感じで終わりましたが、楽しいFIRE生活を過ごせるようFIREを達成したいと思います。
以上、今回は「FIRE民とは少数派」についてでした。
この記事を読むことでFIREを目指す方々の参考になると幸いです。
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