ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、PlayStation向けゲームソフトの販売方法について大きな方針転換を発表しました。
2028年1月以降に発売されるPlayStation向けの新作ゲームは、ディスク版の生産を終了し、ダウンロード版のみで提供される予定です。
PlayStation公式ブログによると、背景には「お客様の購買トレンド」や「エンタテインメント業界全体が物理ディスクからデジタルへ移行している状況」があるとのこと。
なお、2028年1月より前にディスク版として発売されたゲームについては、今回の方針変更の対象外です。
1994年12月に初代PlayStationが発売されて以来、約33年間続いてきた「ゲームディスク」という文化が、大きな転換点を迎えることになります。
筆者はゲームファンであり、初代PlayStation(PS1)からPS2、PS3、PS4、そして現在のPS5まで、歴代PlayStationでゲームを楽しんできました。
そんな筆者にとって、今回のニュースはかなり衝撃的でした。
確かに最近はダウンロード版のゲームを購入する機会も増えています。
しかし、本当に「ディスク版を完全になくしても問題ないのか?」と聞かれると、個人的にはいくつか気になる点があります。
今回は、PS1世代のゲームファンである筆者が、PlayStationのディスク版終了について気になる5つの疑問を考えてみます。
PlayStationのディスク版は2028年に終了へ
まず、今回の発表内容を整理しておきましょう。
SIEの公式発表では、2028年1月以降にPlayStation向けに発売されるすべての新作ゲームについて、物理ディスクの生産を終了するとしています。
新作ゲームはPlayStation Storeおよび販売店で、ダウンロード版として提供されます。
一方、2028年1月以前にディスク版として発売されたゲームについては影響を受けません。
つまり、現在所有しているPS4やPS5のゲームディスクが突然使えなくなるという話ではありません。
あくまで「2028年1月以降に発売される新作ゲーム」が対象です。
とはいえ、PlayStationの新作ゲームからディスクが消えるという事実は、長年のゲームファンにとって大きな変化ではないでしょうか。
疑問① 購入したゲームを中古で売れなくなる
筆者が最も気になるのが、ゲームソフトを売却できなくなることです。
ディスク版であれば、購入したゲームが自分に合わなかった場合、中古ショップやフリマサービスなどで売却できます。
例えば9,000円で購入した新作ゲームをプレイしてみたものの、
「思っていたゲームと違った」
「操作が自分には合わない」
「数時間プレイしたけれど面白くなかった」
という経験は、ゲームファンなら一度くらいあるのではないでしょうか。
ディスク版なら、そのゲームを売却するという選択肢があります。
しかし、ダウンロード版では基本的に中古売却ができません。
さらに、PlayStation Storeの現行キャンセルポリシーでは、ゲームなどのデジタルコンテンツは、ダウンロードまたはストリーミングを開始していない場合、購入日から14日以内であればキャンセルできます。
逆に言えば、実際にダウンロードしてプレイを開始した後は、ゲームの動作に問題がある場合などを除き、原則としてキャンセルできません。
「自分に合うゲームか試してみる」という意味では、ディスク版より購入のハードルが高くなると感じます。
また、友人や家族とのゲームソフトの貸し借りも難しくなります。
筆者も過去には知人からゲームを借りたり、自分がクリアしたゲームを貸したりした経験があります。
ゲームディスクは単なる記録媒体ではなく、ゲームを人から人へ渡す役割も持っていたのだと思います。
疑問② ディスクや物流コストがなくなればゲームは安くなるのか?
次に気になるのがゲームソフトの価格です。
ダウンロード版になれば、
・ゲームディスクの製造費
・プラスチックケースなどのパッケージ費用
・印刷費
・物流費
・店舗での在庫管理コスト
など、物理ソフトに必要だったさまざまなコストが削減できるはずです。
では、その分ゲームソフトは安くなるのでしょうか?
筆者としては、ここにかなり期待しています。
最近の新作ゲームは9,000円前後、タイトルによっては1万円を超えることも珍しくありません。
正直に言えば、筆者の場合、9,000円のゲームを購入するにはかなり慎重になります。
「絶対にプレイしたい」
「シリーズのファンである」
「評価が非常に高い」
といった理由がなければ、発売日に購入することは少なくなりました。
ディスク版ならクリア後に売却できますが、ダウンロード版ではそれもできません。
仮に9,000円で購入して自分に合わなかった場合、その9,000円はそのまま負担になります。
物理ディスクや物流コストが削減されるのであれば、個人的にはダウンロード版ならではの価格設定を期待したいところです。
ただし、今回のSIEの公式発表では、ディスク版終了に伴うゲーム価格の引き下げについては説明されていません。
「ディスクがなくなる=ゲームが安くなる」とは現時点では言えない点には注意が必要です。
疑問③ PS Plusに加入しなくてもゲームを購入・プレイできるのか?
これは筆者が個人的にかなり気になった点です。
筆者は以前の記事でも書いていますが、PlayStation Plus(PS Plus)のフリープレイなどには、それほど魅力を感じていません。
遊びたいゲームは自分で選び、自分で購入したいタイプです。
では、今後ダウンロード版のみになった場合、PS Plusへの加入が必須になるのでしょうか?
結論から言えば、現行制度ではPS Plusに加入していなくてもPlayStation Storeでゲームを購入し、通常のオフラインゲームをプレイできます。
PS Plusは、オンラインマルチプレイやクラウドストレージ、フリープレイなどを利用できるサブスクリプションサービスです。
PS4やPS5でオンラインマルチプレイを利用する場合、多くのゲームでPS Plusへの加入が必要ですが、ゲームを購入するための必須条件ではありません。
つまり現在の仕組みが続くのであれば、
「ダウンロード版を購入する=PS Plusへの加入が必須」ではありません。
この点は少し安心しました。
筆者としては、今後も「PS Plusには加入せず、遊びたいゲームだけ購入する」という選択肢を残してほしいと思います。
疑問④ 購入したダウンロードゲームに有効期限はあるのか?
デジタル販売で最も気になる問題の一つが、購入したゲームをいつまでプレイできるのかという点です。
ディスク版なら、ディスクと対応するゲーム機が手元にあれば、基本的にはゲームを所有し続けることができます。
しかし、ダウンロード版はPlayStation Networkやアカウント、ライセンス管理などのデジタルサービスと深く関係しています。
PlayStation Storeの公式説明には、コンテンツの利用期間について、各コンテンツによって異なると記載されています。
さらに気になるのが、利用期限の記載の有無にかかわらず、無期限の利用を保証するものではないという説明です。
これはデジタルコンテンツ時代の大きな問題ではないでしょうか。
例えば20年後。
久しぶりに昔購入したゲームをプレイしたいと思ったとき、そのゲームを再ダウンロードできるのでしょうか。
PlayStation Storeのサービスは継続しているのか。
購入履歴は残っているのか。
ライセンス認証は正常に機能するのか。
もちろん、現時点で20年後のサービス状況を予測することはできません。
しかし、ディスク版のように「手元にゲームそのものがある」という安心感がなくなることに、不安を感じるユーザーは少なくないでしょう。
筆者としては、ディスク版を終了するのであれば、購入したゲームを長期間利用できる仕組みについても、より明確な説明が必要ではないかと思います。
疑問⑤ ゲームを「所有する楽しみ」がなくなる
最後は少し感情的な話です。
ゲームディスクやパッケージには、「所有する楽しみ」があります。
お気に入りのゲームを棚に並べる。
限定版のパッケージを見る。
昔遊んだゲームを久しぶりに手に取る。
パッケージを見ただけで、当時ゲームをプレイしていた記憶がよみがえることもあります。
筆者もPS1からPS5までPlayStationで遊んできましたが、ゲームディスクやパッケージを見ると、
「このゲームは面白かったな」
「この頃はこんな生活をしていたな」
と、ゲーム以外の記憶まで思い出すことがあります。
ダウンロード版では、ゲームは画面上のアイコンになります。
便利ではあります。
しかし、「モノを所有する喜び」は確実に薄れるでしょう。
ゲームソフトを集めるコレクターにとっては、今回のディスク版終了はかなり寂しいニュースだと思います。
「コレクターは絶滅する」とまでは言いませんが、少なくともPlayStationの新作ゲームを物理パッケージで集める文化は、2028年を境に大きく変わることになります。
なぜソニーはディスク版を終了するのか?
今回の決定は突然のようにも感じますが、ゲーム市場全体ではデジタル化が進んでいます。
SIE自身も、消費者の購買傾向やエンタテインメント業界全体のデジタル移行を今回の決定理由として挙げています。
ダウンロード販売にはユーザー側にもメリットがあります。
店舗へ行く必要がない。
発売後すぐに購入できる。
ディスクを入れ替える必要がない。
ゲームソフトを保管する場所も必要ありません。
筆者自身も、この便利さは理解しています。
一方で、ディスク版がなくなれば、中古売買や貸し借りという選択肢もなくなります。
ゲームの購入方法がデジタル中心になることと、物理ディスクという選択肢を完全になくすことは、少し違う問題ではないでしょうか。
PS1世代の筆者は「ダウンロード版のみ」をどう考える?
筆者はPS1から現在のPS5まで、長年PlayStationでゲームを楽しんできました。
そのため、今回のディスク版終了には正直なところ寂しさを感じます。
もちろん時代の流れとして、ゲームのデジタル化は避けられないのでしょう。
音楽もCDからストリーミングへ移行しました。
映画もDVDやBlu-rayから動画配信サービスへ移行しています。
ゲームも同じ道を進んでいるのだと思います。
しかし、筆者が最も気になるのは「ユーザーの選択肢が減ること」です。
ダウンロード版が便利ならダウンロード版を購入する。
ゲームを売却したい人はディスク版を購入する。
コレクションしたい人はパッケージ版を購入する。
これまでユーザーは自分の価値観に合わせて選ぶことができました。
2028年以降、その選択肢の一つがなくなります。
個人的には、ディスク版を完全に終了するのであれば、
ゲーム価格の見直し
購入後のキャンセル・返金制度の改善
長期間ゲームを利用できる仕組みの明確化
など、デジタル販売に合わせたユーザー保護の仕組みも必要ではないかと思います。
まとめ|便利になる一方で「ゲームを所有する時代」が終わる?
2028年1月以降、PlayStation向けの新作ゲームはダウンロード版のみになります。
PS1の発売から約33年。
PlayStationとともに続いてきたゲームディスクの歴史が、大きな転換点を迎えます。
ダウンロード版は便利です。
しかし、中古売却や貸し借りができないこと、ゲーム価格、長期的な利用、そして所有する楽しみなど、気になる問題もあります。
筆者はこれからもPlayStationでゲームを楽しむと思います。
ただ、9,000円を超えるゲームを「売却できないダウンロード版」で購入するとなると、今まで以上に慎重になるでしょう。
皆さんは、PlayStationのディスク版終了をどう思いますか?
「ダウンロード版だけで問題ない」
それとも、
「ディスク版という選択肢を残してほしい」
でしょうか。
ゲームのデジタル化は時代の流れなのかもしれません。
しかし筆者としては、便利さと引き換えに「ゲームを所有する楽しみ」まで失われてしまうのは、少し寂しいと感じています。

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