人々が選び始めた“新しいコーヒーの聖地”とは?
「スタバが閉店?」
そんなニュースを見て、少し驚いた人も多いのではないでしょうか。
2025年9月、スターバックスは北米店舗の約1%(450店舗以上)を閉鎖すると発表しました。
これは6四半期連続の売上減少を受けての決断です。
かつては“おしゃれで安定したコーヒー体験”の代名詞だったスターバックス。
そのスタバで、いま何が起きているのか。そして、消費者はどこへ向かっているのか。
調べてみると、単なる「値上げ疲れ」では片付けられない、大きな価値観の変化が見えてきました。
スターバックスで何が起きているのか
まずは、データから現状を見てみましょう。
- LinkedInの世論調査
→ 53%が「スターバックスを飲まない」と回答
→ 主な理由は「価格が高い」 - 外食産業専門コンサル「Technomic(2024年)」
→ スタバは主要コーヒーチェーンで最も高価格帯 - LendingTreeの調査
→ アメリカ人の約8割がファストフードを“贅沢品”と認識 - コーヒーショップ価格
→ 直近3年間で23%上昇
背景にはインフレだけでなく、ブラジル・コロンビアなどへの関税強化によるコーヒー豆原価の上昇もあります。
しかし、問題は価格だけではありません。
閉店の背景にある「複合的な要因」
① 労働組合問題
閉鎖予定の59店舗は労働組合に加盟しており、スタバは長年「組合つぶし」と批判されてきました。
② ボイコット運動
2023年、従業員組合の政治的投稿をめぐる訴訟をきっかけに、消費者によるボイコットが拡大しました。
③ サービス品質の低下
スタバが掲げてきた「サードプレイス(第三の居場所)」は、
モバイルオーダー・回転率重視の戦略によって、形骸化したとの指摘もあります。
※テイクアウト中心の人にとっては付加価値にならない、という声も増えています。
新CEOのブライアン・ニッコル氏は
「近所のコーヒーショップに戻る」と宣言しましたが、
消費者はすでに別の選択肢を見つけ始めているのが現状です。
消費者はどこへ向かっているのか?3つの流れ
流れ①:自宅へ(ホームブリューイングの急増)
最も大きな変化は、「家で淹れる」回帰です。
- 80%のアメリカ人が毎日自宅でコーヒーを飲む(2017年比+10%)
- 毎日コーヒーショップで買う人は わずか8%
- 月20ドル(約3,000円)以下の支出が 54%
デロイトの調査では、コーヒー愛好家の70%が毎日自宅で抽出しています。
市場規模も拡大中です。
- 米国コーヒーマシン市場
→ 2024年:37億ドル
→ 2030年:43億ドル予測
「毎日のコーヒー代」を見直す人が、確実に増えています。
流れ②:中小規模・地域密着カフェへ
Placer.aiのデータでは、こんな変化が見られます。
- 小規模チェーン
→ 3.2% → 4.4% - 中規模チェーン
→ 10.8% → 17.6% - スタバ+ダンキン
→ 85.9% → 77.9%に低下
注目すべきは滞在時間。
- 小規模カフェ:10分以上の滞在が 13.4%増
- スタバ・ダンキン:8.9%減
つまり、
**「ゆっくり過ごせる場所」**としての価値は、地域カフェへ移っています。
流れ③:新興チェーン(Dutch Bros)の台頭
特に成長が著しいのが Dutch Bros(ダッチブロス)。
- 店舗数:800超
- 売上の89%がコールドドリンク
- ドライブスルー特化
- 若年層(Gen Z)に圧倒的人気
Gen Zの85%がアイスコーヒーに肯定的というデータもあり、
スタバとは真逆の戦略が刺さっています。
自宅派が増える中、何が売れているのか?
① コーヒーマシン
- ドリップ:45%が使用
- エスプレッソ市場:
→ 2024年:53億ドル → 2032年:132億ドル予測 - Nespresso市場:34.3億ドル
② コーヒー豆・サブスク
- 産地・焙煎への関心が上昇
- Trade Coffee、Atlas Coffee Clubなどが急成長
③ アクセサリー
- グラインダー
- ミルクフローサー
- デジタルスケール
- ポアオーバー器具
④ 「ホームカフェ」文化
- 自宅に専用コーヒーバー
- スマート抽出
- サステナブル志向
- 健康志向ドリンク
変化の本質は「節約」ではない
消費者が求めているのは、
- コスパ
- 体験
- 品質
- 利便性
- サステナビリティ
つまり、
**「自分らしい、意味のあるコーヒー体験」**です。
筆者の見解
筆者は毎日2〜3杯コーヒーを飲みます。
タリーズ、スタバ、ドトール、コメダ珈琲などを利用してきました。
正直に言うと、
スタバは“価格とサービスが釣り合わない”と感じ、長く利用していません。
品質・味はタリーズやシアトルズベスト、
総合満足度ではコメダ珈琲が一番です。
そして最終的に行き着いたのが、
自宅で、誰にも邪魔されずに飲む一杯。
今のアメリカのトレンドと、かなり重なっている気がします。
まとめ:コーヒー市場は再編の時代へ
スタバ大量閉店は、
コーヒー市場全体の構造変化を象徴しています。
需要は3方向に分散しています。
- 自宅で淹れる
- 地域密着カフェ
- 新興チェーン
次にコーヒーを淹れるとき、
「自分は何を求めているのか」を考えてみると、
ちょっと面白いかもしれません。

コメント