タイ旅行やタイ移住、長期滞在を考えている方にとって、気になる制度変更がありました。
2026年9月15日から、日本人を含む対象国のタイ入国時の「ビザ免除(Visa Exemption)」による基本滞在期間が60日から30日に変更されました。
さらに、今回の変更では、ビザ免除を利用して陸路からタイへ入国する場合、原則として1暦年(1月~12月)につき2回までという回数制限も設けられました。
これまで日本人は、ビザを取得せずにタイへ入国した場合、原則として60日間の滞在が可能でした。
さらにタイ国内の入国管理局で延長が認められれば、最大30日延長できました。
つまり、
60日+延長30日=最大90日
という滞在が可能だったわけです。
しかし、2026年9月15日からはビザ免除による基本滞在期間が30日となりました。
「タイに2~3か月滞在したい」
「デジタルノマド的にタイで生活したい」
という方にとっては、今回の変更は無視できないものになりそうです。
一方で、ここで重要なのは、
「タイの観光ビザが90日から30日に短縮されたわけではない」
ということです。
今回変更されたのは、ビザを取得せずに入国する「ビザ免除制度」です。
観光ビザ(TR)は別の制度で、2026年9月現在も、1回の入国につき基本60日間の滞在が可能です。
この記事では、今回の制度変更の内容に加えて、観光ビザの申請方法、取得までの期間、費用、有効期間、そして筆者がタイ移住を検討したものの最終的に移住しなかった理由について紹介します。
2026年9月15日からタイのビザ免除が30日に
今回の変更について、タイ外務省は、これまでの60日間のビザ免除制度を終了し、2026年9月15日から観光目的の30日間のビザ免除制度へ変更すると発表しました。
日本は30日間のビザ免除対象となる国・地域に含まれています。
在タイ日本国大使館も、日本国籍者について2026年9月15日から短期滞在査証免除による滞在日数が30日間になると案内しています。
つまり、2026年9月15日以降に日本人がタイへ旅行する場合、ビザ免除での入国なら、
基本30日
を前提に旅行計画を立てる必要があります。
「90日から30日」は正確にはどういうこと?
今回のニュースを見て、
「タイの観光ビザが90日から30日に短縮された」
と思った方もいるかもしれません。
しかし、これは少し違います。
2026年9月14日まで
日本人はビザ免除制度を利用して、
60日間
タイに滞在できました。
さらに、入国管理局で延長が認められれば、
+30日
の延長が可能でした。
そのため、
最大90日
という滞在が可能でした。
2026年9月15日以降
ビザ免除による基本滞在期間が、
60日 → 30日
に短縮されました。
したがって、正確には、
「タイの観光ビザが90日から30日になった」
ではなく、
「タイのビザ免除による基本滞在期間が60日から30日に短縮された」
ということです。
さらに重要!陸路でのビザ免除入国は年2回まで
今回の制度変更でもう一つ注意したいのが、陸路入国の回数制限です。
2026年9月15日から、ビザ免除を利用して陸上国境に接するタイの入国管理局・国境検問所などから入国する場合、原則として1暦年につき2回までとなりました。
つまり、
1月~12月の1年間に、ビザ免除を利用した陸路入国は原則2回まで
ということです。
ここで注意したいのは、
「タイの観光ビザを年2回しか申請できない」という意味ではない
ということです。
また、
「タイへの入国が年間2回まで」という意味でもありません。
今回の制限は、あくまでビザ免除を利用した陸路からの入国についてのルールです。
例えば、タイからラオスやマレーシアなどへ陸路で出国し、再びタイへ陸路で入国する、いわゆる「ビザラン」のような方法を繰り返す場合には、以前より制約が大きくなります。
この点は、今回の制度変更でタイに長期滞在したい人にとって重要なポイントでしょう。
なお、この陸路入国の年2回制限は、2024年7月15日にいったん解除されていましたが、今回の制度変更で再び設けられました。
ビザランにも影響が大きい?
今回の変更で気になるのが、いわゆるビザランです。
ビザランとは、滞在期限が近づいた際に一度タイ国外へ出国し、再びタイへ入国することで、滞在を継続しようとする方法です。
これまでの60日間のビザ免除では、
60日滞在 → 出国 → 再入国
という方法を考える人もいました。
しかし、2026年9月15日以降は、
基本滞在30日
となったうえ、
ビザ免除を利用した陸路入国は原則として年2回まで
となっています。
したがって、
「30日ごとに陸路で出国・再入国すればいい」
という考え方は、以前より難しくなりました。
長期滞在を目的としているのであれば、ビザランを繰り返すより、観光ビザやDTVなど、自分の滞在目的に合った正式なビザ制度を検討したほうが分かりやすいでしょう。
観光ビザ(TR)なら60日滞在できる
では、
「30日では足りない」
という場合はどうすればよいのでしょうか。
その選択肢の一つが、**観光ビザ(Tourist Visa/TR)**です。
タイの観光ビザは、ビザ免除とは別の制度です。
2026年9月現在、日本から申請する観光ビザ(TR)のシングルエントリーでは、
1回の入国につき60日間
の滞在が可能です。
さらに、タイ国内の入国管理局で延長が認められれば、
+30日
の延長が可能です。
つまり、
観光ビザ60日+延長30日=最大90日程度
という滞在が可能になります。
ただし、延長は自動的に認められるものではなく、入国管理局での手続きと許可が必要です。
タイ観光ビザの申請から取得までどれくらい?
日本からタイの観光ビザを申請する場合、現在は**e-Visa(電子ビザ)**でオンライン申請します。
申請書類をオンラインで提出し、審査後、発給されたe-Visaの確認書がメールで送られる仕組みです。
審査期間は、
15営業日以内
が目安です。
ただし、書類に不備があった場合や追加書類、面接などを求められた場合は、さらに時間がかかる可能性があります。
そのため、タイへの渡航直前に申請するのではなく、余裕を持って申請することが重要です。
観光ビザはいつ申請する?
シングルエントリーの観光ビザには、
発行日から3か月
という有効期間があります。
そのため、あまり早く申請するのも注意が必要です。
例えば、
「半年後にタイへ行くから、今のうちに観光ビザを取得しておこう」
ということはできません。
基本的には、
渡航予定日の約1か月前
を目安に準備するとよいでしょう。
ただし、最新の申請条件や審査期間は申請先によって確認してください。
タイ観光ビザの有効期間と費用
2026年9月現在、日本から申請する観光ビザ(TR)は以下が目安となります。
| 観光ビザ | 有効期間 | 1回の入国での滞在 | 申請料金 |
|---|---|---|---|
| シングルエントリー | 3か月 | 60日 | 5,500円 |
| マルチプルエントリー | 6か月 | 60日 | 26,000円 |
シングルエントリーは発行日から3か月、マルチプルエントリーは6か月が有効期間です。
ここでいう「有効期間」は、その期間内にタイへ入国する必要がある期間という意味です。
「3か月間タイに滞在できる」という意味ではありません。
「ビザ有効期間3か月」と「滞在3か月」は違う
これは非常に間違いやすいポイントです。
例えば、シングルエントリーの観光ビザを取得した場合、
有効期間:3か月
となっています。
これは、
「3か月間タイに滞在できる」
という意味ではありません。
あくまで、
発行日から3か月以内にタイへ入国するためのビザ
という意味です。
タイへ入国すると、
60日間の滞在許可
が基本となります。
さらに、入国管理局で延長が認められれば、
+30日
となります。
したがって、
ビザ有効期間3か月
と
タイ国内での滞在可能期間60日
は別物として考える必要があります。
ビザ免除と観光ビザを比較
今回の制度変更を理解するには、ビザ免除と観光ビザを比較すると分かりやすいでしょう。
| 項目 | ビザ免除 | 観光ビザ(TR) |
|---|---|---|
| 日本人 | ○ | ○ |
| 基本滞在期間 | 30日 | 60日 |
| 延長 | 許可制 | 許可制 |
| 延長可能期間 | 最大30日程度 | 最大30日 |
| 申請 | 不要 | 必要 |
| 申請料金 | 無料 | 5,500円~ |
| 申請方法 | ― | e-Visa |
| シングルの有効期間 | ― | 3か月 |
| マルチの有効期間 | ― | 6か月 |
| 陸路でのビザ免除入国 | 原則年2回まで | ― |
※滞在延長・入国の可否は、タイ当局の判断となります。
デジタルノマドには影響が大きい?
今回の変更で影響を受ける可能性があるのが、いわゆるデジタルノマド的な滞在をしていた人たちです。
例えば、
「日本の仕事をリモートで続けながらタイに2~3か月滞在する」
「冬の間だけタイで生活する」
「タイを東南アジア旅行の拠点にする」
といったスタイルです。
これまでは、
60日+延長30日
という選択肢がありました。
しかし、2026年9月15日以降はビザ免除の基本滞在期間が30日となりました。
さらに、陸路からのビザ免除入国も原則として年2回までとなっています。
そのため、長期滞在を希望する場合は、
- 観光ビザ(TR)
- DTV(Destination Thailand Visa)
- その他の長期滞在ビザ
- 滞在延長
など、自分の目的に合った制度を検討する必要があります。
DTV(Destination Thailand Visa)という選択肢
長期滞在を考えている人にとって、現在注目されている制度の一つが、
DTV(Destination Thailand Visa)
です。
DTVは、リモートワーカーやフリーランサーなどを対象とする制度で、一定の条件を満たす人が利用できます。
今回の30日化はビザ免除制度の変更であり、DTVなど他のビザカテゴリーそのものが30日に短縮されたわけではありません。
そのため、
「タイに数か月滞在したい」
という人は、ビザ免除だけでなく、DTVなど自分の目的に合った制度も比較する価値があります。
ただし、DTVには申請条件があります。
「長くタイにいたい=誰でもDTVを取得できる」
というわけではありません。
申請前に必ず最新のタイ政府・タイ大使館の情報を確認しましょう。
タイ・エリートビザを検討する人も増える?
タイの長期滞在制度として知られているものに、
Thailand Privilege
があります。
以前は一般に「タイ・エリートビザ」と呼ばれていた制度です。
今回のビザ免除期間短縮によって、
「タイに頻繁に行くなら、長期滞在制度を利用したほうがいいのでは?」
と考える人が出てくる可能性はあります。
ただし、Thailand Privilegeは短期旅行者向けの制度ではありません。
費用も大きく異なるため、
年間何日タイに滞在するのか
タイで何をするのか
を考えたうえで比較することが重要です。
筆者もタイ移住を真剣に考えていました
実は筆者も、以前タイへの移住をかなり真剣に考えていました。
タイには、
- 日本から比較的近い
- 温暖な気候
- 食事がおいしい
- 日本人が多い
- コンドミニアムなど住居の選択肢が多い
- 海外生活を始めやすい
など、魅力的な部分があります。
そこで筆者は、いきなり移住するのではなく、
2023年にタイで約1か月のトライアル滞在
をしてみました。
実際に生活してみることで、
「旅行先として好きな国」
と
「実際に住みたい国」
は必ずしも同じではないことが分かりました。
最終的に筆者は、タイへ移住しないという結論になりました。
詳しい内容については、当ブログの関連記事でも紹介しています。
筆者としては「1か月あれば十分」
今回の制度変更について、筆者自身はそれほど大きな打撃とは感じていません。
理由は非常にシンプルです。
筆者の場合、タイに滞在するなら1か月程度で十分だと考えているからです。
2023年に実際に1か月ほど滞在した経験から、
「タイに長期間住み続ける」
よりも、
「日本を拠点にして、タイへ旅行する」
というスタイルのほうが自分には合っていると感じています。
そのため、今回の
60日→30日
というビザ免除期間の短縮は、筆者にとっては大きな問題ではありません。
むしろ、30日あれば十分にタイ旅行を楽しめると考えています。
物価や為替を考えると「長期滞在=お得」とも限らない
タイへの移住や長期滞在を考える場合、物価や為替についても考える必要があります。
以前は、
「タイは日本より物価が安い」
というイメージが強くありました。
もちろん、日本より安く生活できる部分はあります。
しかし、バンコクなどの都市部では、外国人向けの住宅、飲食店、ショッピングモールなどを利用すると、日本と大きく変わらない価格の商品・サービスもあります。
さらに為替レートによって、日本円から見たタイでの生活費は変わります。
そのため、
「タイに長く滞在すればするほど得」
とは必ずしも言えません。
タイで何をするのか?
これはタイ移住や長期滞在を考えるうえで、意外と重要なポイントだと思います。
「タイは物価が安いから移住する」
だけでは、実際に生活を始めたあとに、
「タイで何をするの?」
という問題が出てくる可能性があります。
例えば、
- リモートワーク
- ゴルフ
- マリンスポーツ
- タイ語の勉強
- 現地の文化を楽しむ
- 海外旅行の拠点にする
- 現地の人との交流
- 趣味や仕事
など、具体的な目的があるかどうか。
筆者自身も1か月のトライアル滞在を経験して、
「旅行としてタイを楽しむ」のと「タイに移住する」のは別の話
だと感じました。
30日あれば普通のタイ旅行には十分?
これは旅行スタイルによって違います。
例えば、
- バンコク
- アユタヤ
- チェンマイ
- プーケット
- クラビ
- パタヤ
などを組み合わせても、通常の観光旅行で30日あればかなり余裕があります。
もちろん、
「タイを数か月かけてゆっくり旅行したい」
「冬の間だけタイで生活したい」
という方には30日では短いでしょう。
しかし、
「年に1~2回、数週間タイ旅行をする」
という人なら、今回の制度変更による影響は比較的小さいと思います。
2026年9月15日以降のタイ滞在を整理
今回の変更を簡単にまとめると、以下のようになります。
| 項目 | 2026年9月14日まで | 2026年9月15日以降 |
|---|---|---|
| 日本人のビザ免除 | 60日 | 30日 |
| ビザ免除の延長 | 最大30日・許可制 | 延長制度あり・許可制 |
| ビザ免除+延長 | 最大90日 | 条件・許可による |
| ビザ免除による陸路入国 | 従来ルール | 原則、1暦年2回まで |
| 観光ビザ(TR) | 60日 | 60日 |
| 観光ビザの延長 | 最大30日・許可制 | 最大30日・許可制 |
| 観光ビザ・シングル有効期間 | 3か月 | 3か月 |
| 観光ビザ・シングル料金 | 5,500円 | 5,500円 |
| 観光ビザ申請 | e-Visa | e-Visa |
| 観光ビザ審査 | ― | 15営業日以内が目安 |
※「年2回」はビザ免除を利用した陸路入国についての原則です。観光ビザの申請回数を年2回に制限する制度ではありません。
タイ旅行なら30日、長期滞在ならビザを検討
今回の制度変更で、タイ旅行・長期滞在を取り巻く環境は少し変わりました。
重要なのは、
2026年9月15日から、日本人のビザ免除による基本滞在期間が60日から30日に短縮された
ということです。
さらに、
ビザ免除を利用した陸路からの入国は、原則として1暦年につき2回まで
となりました。
一方、
観光ビザ(TR)が30日に短縮されたわけではありません。
観光ビザなら、現在も1回の入国につき60日間の滞在が基本で、さらに30日の延長を申請できます。
日本から観光ビザを申請する場合はe-Visaを利用し、シングルエントリーなら、
有効期間3か月・料金5,500円・審査15営業日以内が目安
となっています。
したがって、
「タイ旅行なら30日以内」
であればビザ免除、
「30日を超えて滞在したい」
のであれば観光ビザやDTVなどを検討する、という考え方が分かりやすいでしょう。
また、
「陸路で出国・再入国を繰り返せば長期滞在できる」
と単純に考えることも難しくなりました。
筆者の場合は、2023年の約1か月のトライアル滞在を経験した結果、
「タイに移住するより、日本を拠点にタイ旅行を楽しむ」
という現在のスタイルになっています。
そのため今回の30日への変更は、筆者にとっては大きな打撃ではありません。
むしろ、
「タイに1か月あれば十分楽しめる」
と考えています。
ただし、タイに2~3か月以上滞在したい方にとっては、今回の変更は重要です。
今後タイへの長期滞在を計画している方は、ビザ免除だけでなく、観光ビザ、DTV、Thailand Privilegeなどを比較し、自分の滞在目的と期間に合った制度を選ぶことが大切です。
制度は今後も変更される可能性があります。
タイ旅行を計画する際は、出発前にタイ外務省、タイ入国管理局、在日タイ大使館・総領事館などの最新情報を確認しましょう。
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